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交直流電気機関車:   EF510-41

 

実車プロフィール

  EF510形交直流電気機関車は、貨物用EF81形電気機関車の置き換える目的でJR貨物が開発し、平成13年(2001)に登場した。 同形は、すでに実績のあるEF210形の技術をベースに設計され、多くの部品は共通化されています。

 2003年から量産化が開始され、赤い車体に側面に記された "Red Thunder" が印象的です。 このシリーズには旅客列車牽引用として平成21年(2009)に「北斗星」「カシオペア」用500番台がデビューしました。

 EF510-4 号機は、2004年9月に三菱電機と川崎重工業にて製造され、富山機関区に配置されている。

模型プロフィール

メーカー : TOMIX
商品名 :JR EF510形電気機関車
品番: 2162
車両番号: EF510-4 号機
発売日 : 2005年
入手日 : 2015年4月 中古品購入
定価 :  \6,500.-

諸元と分解調査

 

連結面間距離
133.5 mm 
車体重量
116.3 gr
前台車動輪荷重
54.2 gr
後台車動輪荷重
54.6 gr
動輪直径
φ7.7 mm
ギヤ比
i = 20.95

● カプラーは、KATOのナックルカプラーに交換。 品番がZ01-0224の黒色のものであるが、後日、灰色のZ01K0224カプラーを入手したので、こちらに取り換えるのが良さそうである。 カプラーは何とかポン付け出来ている。

● 車体の側面と底面を下に示す。 下側も手抜きなく作り込んであります。

● ボディーを取り外した状態とシャシーを二つに割った状態を下に示す。

 シャシーの上部は、びっしりと詰まっておりモータなどの駆動部品は隙間からチラリとしか見えません。 モータの回転数をセンシングする隙間が有りません。 モータ軸の両側にはフライホイールが装着されています。

● 全部品の分解状況を下に示す。

● モータはカンモータが採用されており、φ8.0×5.0mm のフライホイールが両側に装着されている。 ウォーム軸との連結はジョイントで連結されているが、珍しく伸縮式のジョイントであった。 下右の写真。 モータ側のジョイントはφ1.4mm の軸に、一か所だけ平面が形成されており(二面幅では無い)、ウォーム側のメス形ジョイントの中に形成された変形丸穴内で、回転は規制されるものの、伸縮可能な構造になっていた。

● 台車部分を分解した状態を下に示す。 歯車関係の諸元は、EF81-151号機と同じで、ウォームとホイールのモジュールは、m = 0.4、ホィールの歯数は、 z = 20 でスキューが施されていた。 ホイールと2段ギヤを構成するもう一方の歯車は、歯数 z = 21で、アイドラを介して動輪のギヤにかみあっているが、これらの歯車は モジュール m = 0.3 で構成されていた。 そして動輪のギヤの歯数は z = 22であった。 従って、減速ギヤ比は i = 20.95 となる。

● EF81-151号機で注目したウォーム軸のスラスト支持方法は、さっそく改良されていた。 下の写真に示す様に、立派なスラスト軸受部で保持されていた。 これで、伸縮可能なジョイントを合わせて、理に叶う動力機構が構成されている。 

  

● 前照灯のユニットは前後同じものが装着されており、チップ式LEDが採用されていた。 このチップ式LEDは、写真では判別できないかも知れないが、透明な半月形の形状をしており、秋月などでは見かけない特殊形状をしていた。

 

関連報告

◆ TOMIX製 EF510-4号機の動力特性の解析 ( 2018/8/29)
測定データをもとにして、抗力係数に注目した方法で解析した結果を報告。

動力特性

● 動力特性の測定のために、モータの回転数検知センサを取り付ける。 回転数検知のためのマーキングをいつものようにフライホィールにアクリル絵具で白黒にマーキングした。 そして、左右のフレームの一部を削り、その観測窓とした。 下左の写真。 車両にセットした状態を下右に示す。

● 測定日: 2015年12月22日、  EF510-4号機の測定時の重量: 105.7グラム、 測定車の重量: 77.3 グラム、 走行抵抗: 0.3 グラム

 試験運転時、中間台車の車輪が 曲線部でよく脱輪するので、上の写真のように取り外して測定した。

 

1)速度特性:

 動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を下に示す。 データを見ていると測定途中からドリフトしているような現象が見えたので、次の牽引力特性を測定後、再びこの速度特性を再測定した。 測定後のデータは、当初の後半のデータと重なるので、途中から状態が変化したと判断出来る。 電流が高めで回転数が低めであったことより、モータの負荷が大きかったのではないだろうか。 それは、組付けによるコジレなのか、あるいは異物噛みこみなどが考えれるが、ならし運転による変化とは考え難い。

 電圧降下量については、供給電圧と比例関係にあるように見えるが、供給電圧と電流も比例関係にあるので、言い切れないと判断する。

 

2)牽引力特性

 85.1 グラム (走行抵抗:0.85グラム) の重り車両を牽引させて牽引力を測定した。 最初に測定した4Volt 時のデータはバラツキが大きいが、それ以降は安定してきているように見える。 コジレか異物噛込みなどが解消されたのかな?

 駆動側のスリップ限界はおよそ30グラム、制動側も30グラム程度と読み取れる。 しかし、スリップ状態はかなり手前より発生しており、駆動側では18グラム辺りと推定されるが、制動側では15グラム前後のようである。 ギヤの噛合い状態が変化する遷移点は 10 グラム前後で摩擦抵抗としては大きい部類である。 また、-14グラム辺りで特性に断層が有るのは何故だろうか? 現象が理解できないでいる。

 電圧降下量に関しては、電流に比例している傾向が有りそうな気がするが断定できない。

 スリップ率については、綺麗なデータが測定されている。 この値から計算されたμカーブ(摩擦係数のグラフ)も、バラツキの小さい安定した特性を示している。 スリップは、μが0.2を超える辺りから少しづつ滑りが大きくなり、100%の時にはμは0.3の値となっていた。

 

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● 出力と効率

 上記の牽引力測定データを基にして、右に示す様に、出力と効率のグラフを追加する。 2016/11/28 追記