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鉄道模型実験室  動輪の内輪幅の測定 

 

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■動輪の内輪幅(?)を測る

 半径140mmのカーブを有するミニレイアウトに、色々なSLを走らせようと四苦八苦しています。

 ミニレイアウト故、大型蒸気は無理ですので、小中型の蒸気に狙いをつけています。 この小中型の蒸気には、すんなりと走行してくれますSLは幾つかありますが、手ごわいものもあります。 これらには、車両側の改造や線路側の工夫など、挑戦意欲をかきたててくれますね。

 今回は、走行可否を握るキーポイントのひつつとして、動輪の内輪幅 (?) を測る方法を紹介いたします。 動輪の内輪幅 (?) とは、自分が勝手に呼んでいるのですが、どこを測っているかは、右の写真を見て頂くとすぐにお判りでしょう。

 下の写真は、測定装置の全体写真です。 装置と言っても、単に半径140mmの曲線線路とノギスを固定したもんです。 簡単なベニヤ板に固定しています。 右の写真は、ノギスの測定端の拡大写真です。 線路の内側を切断してずらしています。 レール面と測定端の高さを合わせておきます。 また、外側のレールの内側に接触させて、ゼロ点を決めておきます。

 右上の写真は、SLの真中の動輪の内側を測っている状態です。 そうです、この寸法を測りたかったのです。 曲線走行時の動輪では、一番前と一番後ろの車輪の外側車輪と、真中の車軸の内側車輪がレールの側面に当って走行します。 この寸法がレールの幅より狭ければ、半径140mmの曲線線路を通過出来、レール幅より大きければ、走行不可となります。

 

 この寸法は、動輪軸間距離や動輪径の設計寸法、製作誤差、組付け誤差、そして軸方向の移動可能なガタなどにによって決まってきます。 さらに脱線などの走行性には、フランジ形状も影響してきます。

 でも、この寸法がどれくらいの余裕があれば問題なく走行できるのでしょうか?

 

■動輪の内輪幅のデータ

 さっそく手持ちのSLについて測定してみました。 その結果を下の表に示します。

 Nゲージのゲージ幅の寸法は、色々な線路を測定してみると、9.0 - 9.1 mmでした。 曲線部の直線部でも一緒でした。 この寸法を基準としましょう。

 表は測定した寸法データ毎に、機種を整理しています。 測定はフランジのR形状やガタの具合いで手こずりましたが、大概の数値は測定出来たと思います。 影響が大きいのは、ガタの量と思われ、右カーブと左カーブでは必ずしも一致しないようです。 また、走行性のチェックは、「SL走行チェックの方法と道具」で紹介した方法で実施しました。 また、先輪や従輪が影響するものは、取り外して走行し、動輪部での走行性を確認しています。

測定結果:

観察して気がついたこと:

(1) 曲線の出口で脱線する現象を見ることが出来ました。
 先頭の動輪がせり上がった状態でも、曲線部を走行することが出来ますが、曲線から直線に移行する部分で、せり上がった動輪で、すんなりと元に戻るものと、そのまま脱線してしまう車両があります。 なにが違うのでしょうかね。 我がミニレイアウトも曲線の出口に、ミニポイントを配置していますが、脱線する原因はこれだったのかも知れません。

(2) ゴム輪の位置で走行性が変化する。
KATOのC11を従輪を外して走行させました。 ところが前進では脱線するのに、後進では走行出来ます。 なんで?  思うに、自動車のFF駆動とFR駆動の違いかも知れません。 駆動力の大きいゴム輪が前にあるの場合は、他の動輪を引張って行くので脱線しないのかな。

 

結論:
 カント付きレールが最近発売されています。 曲線部に於いて、実際の鉄道ではカント以外にスラックが設定されています。 模型の世界でも、このスラックを付ければ、急カーブでも走行可能となるのでは?

    あと 0.3mm 広げれば・・・・・!   挑戦しよう!