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鉄道模型実験室  制御回路用のシールドを作る

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■ はじめに

 先回、大まかな工作手順を述べた。

  1. 280-30の電動ポイントを入手してモータドライバICで確実に作動するかの確認する。 もし不作動の個体を引き当てた場合には、新しく追加購入するか、あるいは手持ちのリレーとコンデンサを使ってコンデンサ方式での確認を実施してポイントの駆動方式を決定する。
  2. 回路が決定出来たら、Arduino 専用の基板を使って、これらの制御回路専用のシールドを作成する。
  3. 新しい速度センシングゲートを工作する。
  4. 測定台の改造を進め、作成された部品類を取り付けて新しい測定方法をテストする。

 この手順に従って、まず制御回路用のシールドを工作した。

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■ ポイントの駆動方式の決定

 不足していた TOMIX の280-30の電動ポイントを入手したので、モータドライバICを使って作動テストを実施した。 右の写真。 

 駆動電圧は、12volt で、IC制御電圧は 5volt である。 制御回路は、「ポイントの切替駆動の制御方法」に示したものと同じ構成である。 その結果、4個のポイントのうち、少し怪しいものが一つあったが、ダブルでも元気よく作動することを確認した。 怪しい物は、10回に1回ほど応答しない時が有る程度だったので、使っているうちに良くなるだろうと安易な気持ちで合格サインを出してしまった。

  ・・・・・・・・・・・・・・・ 後から考えるとこれが失敗のもとであった。

 この時点では、このモータドライバICを使った駆動方式で実施することにして、回路の修正と工作を実施した。

 

■ 回路の修正

 先回、報告した回路を一部手直しした。 シールドで隠れてしまう本体のリセットスイッチの代わりに、シールド上にもリセットスイッチを追加する。 走行用電源回路にお設けたコンデンサをチャタリング電圧の防止のために設定していたが、設置しなかったテスト回路でも誤動作が無かったので、設置場所は確保した上で、当面は無しで実施することにした。

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 また、自動運転中は、2ヶ所ある速度測定用ゲートの通過方向が両方向から侵入することになる。 測定開始と終了の信号はどちら側か? また、登り坂なのか下り坂なのかもチェックしておく必要がある。

 最初に通過したゲートをチェックすれば、ロジック的には判断出来ると考えているが、ややこしそうだし、また、測定時間を無駄にすることにもなる。

 このため、自動走行状態を知らせるステージ信号を制御回路側のArduino から、測定回路用のArduino に送信すれば、どちら側のゲートの、どの方向から入ってくるかは容易に判断出来ると考えた。 そこで、敢えてこの信号回路を追加してみることにした。

 SEN1を通過後の右回り状態であるSTAGE 1と、 SEN2 を通過後の左回り状態であるSTAGE 4とを信号として発信すれば良いことになる。 この信号をデジタル出力端子D7とD6から取り出し、二つのArduino のゼロ点電圧を合わせるためのGND線を出力することにした。

 これらを修正した回路を左に示す。 なお、回路図の修正忘れであるが、Cdsセルはユニットから離れた固定場所に設置するので、コネクタで接続する様にしている。

 

■ シールドの制作

 使用した基盤は、サンハヤト製のArduino用ユニバーサル基盤 UB-ARD01 である。 リレーは、OMRON製の2巻線型小型ラッチングリレー G6AK-274P-DC5V で、 モータドライバICは、東芝製DCモータ用フルブリッジドライバーTA8428K(S) を使用した。 何度も実態配線図をグラフ用紙の上に書いては検討した結果、下の様な配線とした。

 センサ部、ドライバ部、リレー部となるべく離すように配置したつもりである。 特にセンサー部はコンパクトにまとめることが出来た。 10mA用のCRDはチップ型を持っていたので早速使用した。 下左が表側で、右が裏側である。 リレー回路の裏側にはカプトンテープを張ってあるが、これはArduino 本体のUSBコネクタ部との接触を恐れてシールしたものである。 Arduino に取り付けた時に、意外と近かったのであわてて対策したものである。

 フィーダー線との接続は、KATOのコネクタを利用し、12volt電源はDCジャックを使ってACアダプターと接続するようにしている。

 各回路の作動テストは、センサ回路のみ確認できたものの、他の回路は周辺部の工作が必要なので、未確認のまま持ち越しとなった。 次回は木工工作を紹介しよう。