HOME >> 鉄道模型実験室 > 木工工作の実施

鉄道模型実験室  木工工作の実施

   .

■ はじめに

 新しい測定方法として、小判型+8字パターンの走行路を自動運転しながら、動力車の特性を測定する方法を検討している。 この走行パターンを採用すると動力車から有線を使って通信が可能となるので、無線や赤外線通信などの手段を必要としなくなるのである。 これによって、より信頼性のあるデータが収集出来るものと期待して、工作をすすめている。

 今回は、その測定台の改造に取りかかった。

  .

 

■ 測定台の改造

 小判型+8字パターンの走行路を確保するためには、現在の測定台を少し延長しなければならない。 実際に線路を構成してみた状態を下左に示す。 計算上では25cm程度延長する必要がある。 また、測定ゲートの位置も変更するので、ケーブルの長さ勘案しながら、それぞれのユニットに配置を検討した。 下右の写真。

 追加のベニヤ板を購入し、久しぶりに木工工作を実施した。 上部の測定台を取り外し坂の上になる部分を 225mm 延長させた。 工作中と完成後の写真を下に示す。

  .

 

 延長工作が完成した台に、線路設置のための罫書きを実施する。 計算された寸法をもとに、主要な部分の中心線を描き、マーキングを実施した。 右の写真。

 その上にもう一度線路や機器を置いて、固定位置や配線のための穴開け位置もマーキングを実施した。

 それをもとに、測定台の穴開け加工を実施した。 新旧の加工で穴だらけになった上部測定台の裏表を下に示す。

 

 

 

 次に、測定ゲートを改造する。 動力車からの有線の邪魔になるため、線路上方にあったゲートの梁の部分を下に持ってくる必要があった。 当初は新しく作成するつもりであったが、現在のものを上下逆さまにすれば出来ることに気が付き、改造することにした。

 センサや基板部分などをベースから外し、その配置を変更して組み直したのである。 その時の工作ポイントは光チャネル軸の設定である。 「車速測定ユニットの製作」でも紹介した方法と同様に、光チャンネルに3本のφ1.0mm の真鍮線を差し込み、スリットの設置位置を決めて固定した。 下左の写真。 1mm×3mm 角の光チャンネルを線路上 2mm 上に来るように 2mm 厚さのプラ板を挟んで位置決めしている。

 出来あがった測定ゲートを測定台に固定した状態を上右に示す。 測定台の裏側から見ると下左のようになり、ビスにて固定している。 反対側の測定ゲートも同様に工作して取り付けた。 下右の写真。

 次に、センサ部と給電部を工作する。 Cdsセルによる通過センサは、予備実験の時と同様な工作を実施したが、今回は線路に導線用の穴をあけ、パテで固定した。 給電部も同様に、線路に穴をあけ、φ0.6mm のスズメッキ線を通し、線路側面に半田付けしている。

 自動運転制御ユニットまでの導線は、抵抗がなるべく少なくなるように太めの導線を用い、その接続端子として、センサ線は2ピンオスのピンヘッダを、給電線はKATOのコネクタを取り付けている。

 各ユニットの配置を下左に示す。 Arduino を使ったメインの測定処理を行う測定センター部、給電ラインの電圧と電流を測定する電圧電流センサ部、その電圧を表示する電圧表示部、給電途中で極性を変える逆転スイッチ、および給電電源からのラインのON/OFFを行うスイッチは、従来の物をそのまま使用して、配置のみ変更している。 このユニット類は、下右に示す様に、配線長さなどを考慮して配置したが、配線類はそのまま使用している。 追加工は、自動運転ユニットと接続する端子と、スイッチと給電電源とスイッチを接続する端子のみを加工しただけである。

 また、各ユニットの測定台への固定方法は、ベニヤ板片を介してビスで確実に固定するようにした。 今までは両面テープなどで仮固定の状態であった。 各ユニットの固定状態を下に示す。

 今回新しく作った自動運転制御ユニットも下に示す様に固定した。 さらにシールドを取り付けて配線した状態を下右に示す。

 傾斜角センサ以外は、一応配線出来た状態を下左に示す。 そして、自動運転制御ユニットのArduino にポート位置などを修正したスケッチを送信し、 モータドライバIC用の12V電源を接続して機能テストを実施した。

 その結果は見事に NG であった。 4個のポイントの内、1個しか作動しないのである。 他の3個はダンマリであったり、ジーと音がしたりして切り替わらないである。 センサ部に手をかざすと、センサ表示用LEDは消灯して反応し、制御ステップが進行している事は確認されたが、電動ポイントの作動は No.3 のポイントのみ反応するのみである。

 そこで確認のために、TOMIXのパワーユニットを使って、ポイントの動作確認を実施した。 上右の写真。 結果は、対にした二つの電動ポイントは元気良く切り替わり、あたかも 「僕たちは元気いっぱいですよ」 と言わんばかりに カシャ カシャ と反応してくれた。  他の対のポイントも同様であり、すべてのポイントは正常に作動することを確認出来たので、問題は自動運転制御ユニット側にあることがはっきりした。 ウ・・・・・・・・・・・・!  やはり心配が当たってしまった!

 さて、どうすか・・・・・・・・・・・・・・・?