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鉄道模型実験室 No.119  モータ特性を測定しよう その8 フライホイール無しモータのために

■ はじめに

 先回の「モータ特性を測定しよう その7 」では、自信をもって作った張力プーリーの摩擦トルクが問題外の結果であった。 そこで、モータのフライホイール部を利用した測定法に変更した。

 しかし、この方法でも、負荷を掛けるためのラジアル力によってモータの軸の摩擦トルクが増加している恐れがあるのだが、これを完全に無視て測定を実施してきたのである。 さらに、フライホイールの無いモータでは、この方法では測定できない大きな欠点もあるのである。 そこで、負荷を掛ける専用の構造部分を作る必要があり、あれこれ思案を巡らせていた。

 いくつかのアイディアの内、今回はジャンク品のモータを使ってみる方法を検討した。

 

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■ ジャンク品モータを使った方法

 先回の張力プーリーは、4駆用のベアリング使用が不適切であったと判断し、ジャンク品のモータのモータケースと軸受けを活用することにした。 製品のモータであれば、充分に小さな摩擦トルクであろうと考えたのである。 このモータはモータの鉄心部と整流子の部分がズレたために不動となってしまったKATO 製のモータである。 電磁気的影響を削除するため、ブラシ部分とマグネット部分を取り外している。 右の写真を参照。

 このジャンク品を使った張力プーリーの取り付け方法や装置としての設定方法を下の写真に示す。

 そして、一番気になる摩擦トルクを測定してみることにした。 方法は、正常なモータを使って駆動させ、無負荷状態との消費電流値の違いを見るのである。 その実験状態を下に示す。 使用したモータは、TOMIX の EF210-109 号機用のモータである。

 測定結果を上にしめす。 茶色のプロット点は先回報告したEF210-109 号機モータの無負荷回転時のデータであり、緑色のプロット点が今回追加実験した時のデータである。 6ボルト以上は音がうるさくなったので中止しているが、なぜ音がうるさくなったのかも追及して置く必要があったものの、このデータを見て諦めてしまったのが、第1要因である。 ムム・・・・・・・・・・・・・・・涙!

 EF210-109 号機モータの解析データより求めたトルク定数 Kt を使って電流値をトルクに換算したグラフを右に示している。 二つのプロット点の差が、ジャンク品を使った張力プーリー部の摩擦トルクと考えると、これだけの摩擦トルクが発生していることになる。

 ただ単に回転しているだけなのに、これだけの摩擦トルクが発生しているとは驚きである。 事前に充分に注油していたのに・・・・・・。

 使用されていいた軸受けは、内径部分がφ1.5mm の含有軸受けで、外径部分が球体となっていて軸のコジレにも考慮されている設計と見受けた。 軸受け部の隙間はもう少しガタがあっても良いのではとは思ったが、高速回転時の軸振れを考えると適切なのかも知れない。

 

■ まとめ

 やはり、今回の試みも失敗に終わってしまった。

 でも、まだあきらめてはいません。 次のアイディアに挑戦中です。

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 2016/10/30 作成