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鉄道模型実験室 No.143  ポイント駆動回路のコンデンサー容量をアップさせる

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■ はじめに

 登山鉄道自動運転システムにおいて、ポイントの作動が不安定な状態がたびたび発生していた。 そこで駆動回路の電圧波形を観察した結果、我が設計のポイント駆動回路ではパワー不足の可能性があると判断し、コンデンサの容量アップによるパワーアップの検討を実施した。

 

■ 実験装置

 まず今回の実験装置を紹介する。 ブレッドボード上に構成した回路とオシロが主役である。 右の写真。 ブレッドボードには、制作したポイント駆動回路を再現しているが、駆動回路への信号は、ラズパイの 3.3volt 出力信号の代わりに、単三乾電池を使い,スイッチのON/OFF によって代用した。 駆動回路の電源は、システムで使用している 12V のACアダプタを使用した。 駆動するポイントは、先回実験したNo.1 のポイントを使用、その配線途中で電圧と電流を測定するのも先回と同じである。

 また、コンデンサの容量は、制作した回路と同じ 2200μF の予備品を使用し、その時同時に購入していた 3300μF のコンデンサも用意した。 このコンデンサに取り換えたり、並列に接続することで容量を変えて実験することにした。

 

■ 電圧・電流波形の観察

 まず最初に、設計回路での状態を観察した。 先回は、画面の背景を白黒反転させる事ができたので、白画面にしてみたが、もとの黒色の背景にもどしている。

 ● 設計回路と同じ2200μF:  

  

 ● 2200μFと3300μFを並列接続: コンデンサ容量は並列接続なので加算されて、5500μFとなる。

  

 ● TOMIX N-400 場合:  確認のために、TOMIX N-400 を使用した場合も測定した。

  

 ● 比較検討: 

 オシロにて保存した波形データをもとに、EXCELにてグラフ化した。 データ処理と表示方法は先回と同じである。

 5500μF の実験した結果、 N-1000-CL や N-1001-CL とほとんど同じパターンとなったので、一発でこれに決めたしまった。 なお、N-1000-CL と N-1001-CL のデータは先回の実験のデータをそのまま使用している。

 N-1001-CLでは、4700μF のコンデンサを使用しているので同じような結果になったと考えている。 そして、波形から考えても過大になっているとは思えないので、安全範囲と考えて、2200μFと3300μFとの並列接続方法に決定した。 過大パワーによるコイルの焼損を心配したが、問題無いと考えたのである。

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■ 作成した実際の回路の不具合チェック

 先々回の実験「システムの制御状態の調査」にて、P4回路の作動がおかしいことが見つかったので、ポイント駆動ユニットを取り出し、作動をチェックした。 駆動信号の入力は乾電池からのON/OFFにて代用している。 右の写真。

 ● P4回路のチェック : 

 やはり駆動時のパワーが抜けているようである。 そこで、他の回路もチェックしたが、他の3っつの回路は異常なかった。 代表して、P3回路のデータを下に示す。

 ● P3回路のチェック : 異常い事が分かる。

  

 ● P4回路のチェック :  

  

 原因調査のためにいろいろ調べてみた。 上左に示す直進状態から分岐状態に作動させようとした場合、反応なしであるが、分岐から直進に戻す場合は正常に作動するのだ。 この場合は、電源からコンデンサに充電している状態と考えるので、コンデンサは機能していると考えるべきなのだるか・・・・・・?

 ● ソレノイド無しでチェックしてみる:

  

 そjこで、ポイントを接続していない、即ちコイルが無い状態で測定してみた。 左画面はP3回路の場合で、右の画面はP4回路の場合であるが、やっぱりこちらの回路は変である。 作動方向や測定場所を変えながら、どこがに異常は無いか調べてが、さっぱり原因が見いだせない状態であった。

 ● 正常に戻っている?

  

 基板をひっくり返しながら触っていると、突然ポイントが作動する音がしだした。 よく見ると、正常に作動するようになった。 そして、波形を測定してみても他の回路と同じ波形を呈するようになった。 正常状態に戻ったのだ。 なんで・・・・・・?

 素人考えとして、リレーのどこかで引っかかり状態であったのだが、あれこれしているうちに、その引っ掛かりで外れたのではと推定している。 まあ、元に戻ってやれやれであるが、再発する恐れもあるのだ。

 

■ まとめ

 手持ちの4個の 3300μF のコンデンサを並列接続させてコンデンサの容量アップを図ることにした。 次回はその工作内容を報告する。

 

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 2017/7/27 作成