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鉄道模型実験室 No.145  TOMIXの自動運転ユニットNを調べる その2

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■ はじめに

 ラズパイを使用した自動運転システムの開発を進めてきたが、今だに完成したとは言い切れていない状態である。 そこでTOMIX 製のTCS自動運転ユニットN (品番: 5563)から、何か参考にする事項はないだろうかと、その特性を調べる事にした。 その調査の第2弾は、オシロスコープを使ってポイント駆動回路の出力波形を調べてみた。

 

■ 実験方法

 TOMIX 製のTCS自動運転ユニットN (品番: 5563)を使って簡単なレイアウトを組んで見た。 右の写真。

 ポイントを使った簡単なレイアウトとして、運転モード2の単線往復駅運転モードを選択して机の上に設定した。 ミニ電動ポイントの PR140-30 と PL140-30 のポイントを使用し、説明書に従って、センサとフィーダー線を取り付けた。 ミニ電動ポイントの通電具合が不安定であったので、両端にフィーダー線を設置している。

 走行させる電車は、Bトレの車両を使用した。

 

 ポイント駆動回路の出力波形は、「TOMIX製ユニットのポイント駆動回路出力波形の観察」で使用したプローブを使ってオシロに取り込んでいる。

 

■ 観察結果

 オシロでの観察結果を下に示す。 今回、電流値を測定したチャネル2の値が、プラスマイナスが逆になっている。 これはグランド端子とCH2用のプローブの取り付け位置が、先回とは逆になっていたためと推察するが、今回の方が見やすいと思われる。

 下左の画面は、ポイント1(P1)の分岐状態から直進に戻る場合で、下右の画面が直進から分岐状態に移動する場合である。

  

 次の画面は、ポイント2(P2)の場合である。

  

 ポイント1と2とは、ピタリと一致していると判断しているが、先回の分解調査からもうなずける結果である。

 

■ 波形の比較

 今まで調査してきたいろいろなユニットとの波形を比較しよう。

 元の電圧が12ボルトで、使用しているコンデンサの容量がおよそ 5000μF である事より、N-1000-CL や我が改良型システムとほとんど同じパターンとなっている。

 

■ 不思議な現象

 測定中に、不思議な現象に出くわした。 ポイント2について測定していた時に、オシロをロールモードで観察すると、次のようなパターンに出くわした。

  

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 このモード2で運転すると、スタート位置からスタートして駅にまっすぐ入線し、そのまままっすぐ発車して行く。 折り返しの場合には、ポイントを切り替えて入線し、そして出ていく。 これを繰り返している。 ポイントの切り替えは、何時も右側のポイント(P1)を切り替えた後、左側のポイント(P2)を切り替えている。 その間は0.5秒ぐらいで、ポン、ポンと順番に切り替えているのだ。 これは回路からもうなずけるのだが・・・・・・・、左側のポイントの場合は、2回も信号が出ている。

 信号は2回出ているのに、実際のポイントを見ていると、それぞれ1回しか動作をしていないのである。 上の画面のうち、どちらが分岐に、あるいは直進に切り替わる場合かをメモしていなかったので、はっきりとは言えないが、空信号を出しているものと思われる。

 ポイントの確実な切替のために、このような空打ち信号を出す事を自分も考えた時があるので、やってる! と思ったのであるが、それならば、右側のポイントはどうかと思って測定してみた。

  

 右側のポイントの場合は、信号は1回しか出ていないのである。 ポイントの選択はリレーで実施しているため、反対側のポイントへの影響は無いので問題無いのであるが、ポイント2の場合だけ、何故、空打ち信号を出すのか理解できないのだ!

    *************  8/28 追記する **************************************

 頭を冷やしてから考えました。 回路構成から考えて、この処置は必要な操作であることに気が付きました。

 ポイント1は、初めに操作します。 この時、コンデンサは前の状態ですので、その状態とは逆の操作をすればよいのです。 しかし、ポイント2の操作は、ポイント1の操作と同じ操作を実施しますので、コンデンサの状態が異なります。 放電モードの場合には、一度充電させなければならないのです。 充電モードの場合は事前に放電モードにしておかなければならないのです。 このため、ポイント2の操作はダブルアクションが必要なのです。

 技術の方も苦労していますね!

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■ まとめ

 ポイント駆動回路に、4700μF のコンデンサを使用しているため、その駆動波形は我がシステムとはとんど同じであることが確認できた。 そして、その制御方法は何故だか空打ちのある制御を実施していたのだ。

 次に、フィーダー線の信号波形を観察してみよう。

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 2017/8/27 作成   8/28 追記