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遥友鉄道 トーマのB6を走らせる

 

■ はじめに

 「遥友鉄道」と名づけて小型車両を走れせている600×900mm のミニレイアウトを楽しんでいます。  しかし、折角の小型蒸気機関車であるトーマ製のB6を走行させることが出来ません。 それは、半径140mmのミニカーブで脱線してしまうからです。 でも、このレイアウトで何とか走行させることが出来ないかと機関車の改良(改悪?)をしましたが、限界があることが判りました。 それならばと、今度はレイアウト側を工夫をする事にしました。

 なお、機関車側の細工と走行限界については、「トーマ製B6のミニカーブレールへの挑戦」 と 「SLのミニカーブレールに対する走行性」 を参照下さい。

 

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■ 遥友鉄道の路線

  「遥友鉄道」のレイアウトについて、もう一度説明しておきましょう。 下左の写真はその全景です。 また、右下の写真は丘の部分を外した状態です。 ぐるぐると3周もしているエンドレスのミニレイアウトです。 高低差も標準勾配で設定されています。

 

 曲線路の構成は、半径177mm をメインとしていますが、内周路には140mm のミニカーブを使用しています。  しかし、この部分には、0.2〜0.3mm のスラックを設け、さらに右上の写真のようにガードレールも設置していますが、トーマ製のB6はこの140mm のミニカーブ部分を走行する事が出来ないのです。

 

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■ レイアウトの工夫

 機関車側の工夫に限界があったので、レイアウト側を工夫してみることにしました。 もし、150mm で走行可能であれば、KATO製やフレキシブルレールを使用して無理矢理押し込めることが出来たかも知れんが、160mm 必要であることが判明しているので、逃げの手を使うことにしました。

  内周路を避け、そこを走らなければ良いのです。 簡単なことです。

 幸い、内周路の入り口は、TOMIX のクロッシングレール XL140-15(F) を使用しています。 このレールを電動ダブルスリップポイント N-PXL140-15(F) に取り換えれば、内周路を避けて、外周路と中間路を走行するエンドレスレイアウトにする事が出来ます。 勿論、スイッチ一つでもとの内周路も走行出来るパターンに変更することが出来るのです。

 右の写真はその保線工事を実施した状態です。 当然ながら元の位置にぴたりと入っています。

 工事は少し工夫が要りました。 線路はバラストで固定されていますので、取り外しは無理矢理に剥がす事が出来たものの、再組付け時には、はめ込むことは容易ではありません。 この事を想定して、18.5と33mm の線路の右端部は、結合部の両方の爪を切り取っています。 さらに、ジョイナーをレール端までスライドさせるために、端から2番目の枕木の犬釘部分を削りとり、ジョイナーを押し込んだ状態にしておきます。 この様な細工をしておくと、レールを奥の方から順番にセットして行き、最後に障害なく全てのレールを元の位置に設置することが出来ました。 そして最後に、両側のレールを結合するためジョイナーをスライドさせて完成です。 レールの段差や通電状態も問題有りませんでした。

 

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■ 走行テストの実施

 保線工事が完了したのでトーマ製のB6を走行させて見ました。 KATOのチビ客車3両を牽引し、快調に走行しています。

 動画にて撮影しています。 ⇒ 「B6 2272号機 ミニレイアウトを走行する」 

 

 次に、左回りも確認しておこうと思って走らせてみました。 すると、

      ⇒ 「B6 2272号機 ミニレイアウトを走行する 左回り

なぜかカーブに入ると脱線してしまうのである。 他の177mmのカーブでも同様に脱線してしまうのである。 そこで、機関車単体で走行させてみた。

      ⇒ 「B6 2272号機 ミニレイアウトを走行する 左回り単機走行

 良く解らない場合は、何でも実験してみるのが我がモットーである。 今度は客車を前に置いて、後ろから押してみた。 機関車は後ろで引っ張るのか、前で押すのかによって、カーブにて掛る力、あるいはモーメントが違うのだろうかと考えたのである。

      ⇒ 「B6 2272号機 ミニレイアウトを走行する 左回り押し状態

 脱線を起こす原因は負荷によって微妙に違うのだなぁーと感心しつつ、よく解らないままこの原稿を書いていたが、今度もふと気が付いて機関車をひっくり返し、しげしげと観察しました。 どこに目を付けたかは下の写真を見ればお判りと思います。 下左は後ろのカプラーで、下右は前のカプラーです。

 

 カプラーは真っ直ぐに取り付けられておらず、ネジ止め時に締付方向に少し傾いて取り付けられています。 前進左回り走行時には、後ろのカプラーはより外にはみ出す方向に曲がっており、前のカプラーはカーブ走行時に有利になる方向に曲がっています。

 そこで、後ろのカプラーを反対側に曲げて走行させて見ました。 今度は、前進左回り走行は問題無く走行出来ましたが、前進右回り走行で脱線してしまいます。 そこで本来の真っ直ぐな方向に取り付けて走行させると、どちらも問題無く走行出来ました。 これで問題解決と思っていましたが、今度は連結する相手の車両によって、脱線するようになってしまいました。 ほんのもうチョットのところの様ですが、脱線は脱線で走行不能に陥ります。 当面は連結する相手車両を選んで走行させることにしますが、なんとかカプラーの首振り量を大きくして、この制約を解消したいところです。

 

■ おまけのテスト

 もう一つの走行出来なかったB6モデルもテストしてみることにしてみました。 KAWAI 製の2120号機です。 この車両も問題無く走行できましたので、試しに僚機である他の2両と重連させて見ました。

     ⇒ 「KAWAI製 B6モデルの3重連走行

 この列車の先頭に、さらにトーマ製の2272号機を加えて見ました。 速度特性がかなり異なっているため重連は難しい事を承知の上で実施しています。 お遊びです。

     ⇒ 「B6モデルの4重連走行

 こうなると壮観ですが、問題無く走行しています。 頑張り屋の2272号機とのんびり屋の2120号機に注目して下さい。 蒸機は動輪と一体となっているロッドの動きを見ていると車輪の状態を見ることが出来ます。 先頭の2272号機のロッドの動きは他の車両よりも早く、2120号機は逆に遅いのが判ります。 これらは車輪とレールが滑っている事を示しており、レールクリーナの代わりをしているのです。 あまりお勧め出来ないことです・・・・・・・・・・・・・・・・・。