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物置部屋のレイアウト 第4期工事 機関区の照明工事

■ はじめに

 機関区については、レイアウトの改造のたびに手を入れているが、古いレイアウト時代には照明を設置していた事があった。 「RTM東海 地下ヤードの手直し」参照。 しかし、その後の改造時に照明配線を取り去ったままで、現在にいたっている。 このレイアウトは気が向いた時に少しづつ手を入れているが、今回はやっと機関区の照明を復活させる事にした。 扇形車庫の照明は先回と同様の方法で実施すれば良いが、外灯についてはもう少し工夫して新しい工作を実施しりことにした。 また、機関区の灯りは全て “ 電球色 ” にした。

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■ 構内灯の照明

 蒸気機関車の機関区にマッチする外灯として、少し古臭いスタイルで実現出来ないか検討してみた。 例えば丸い傘式の外灯などはマッチすると考えて、その工作法を検討した。 しかし、薄い銅板をハンダ付けする方法などはあるが、意外と傘を作るのが面倒である。

 そして、津川洋行の構内灯を加工した以前の工作を思い出し、この素材を使用してチップLEDをはめ込むことにした。 その素材は津川洋行の構内灯LA-21 である。

 以前の工作は、この部品の頭部を切断して支柱部分にφ1.0mm の穴をあけ、下からφ1.0mm の光ファイバーを使って光を導光しようとしたものである。 しかし、光量不足により不採用であった工作である。

 この工作の残骸を使い、光源としてチップLED を使えば充分な光量が得られるはずである。 そして、チップLED は傘の部分にはめ込んでしまえばリアル感が出ると考えた。 このアイディアを右の図のタイプ1として示す。

 支柱はφ1.4、内径がφ1.0mm の真鍮パイプを使用し、熱収縮チューブを使って頭部と接続する。 配線は 0.2mm のポリウレタン線を使うと、パイプ内を通して配線出来る。 但し、チップLED を埋め込むためには、傘の部分を深く削る必要があり、リューターを使って慎重に工作した。 傘の内側からはφ0.5mm の穴を2ヶ所にあけて、ポリウレタン線を通すことにした。

 チップLED は、秋月から入手していた表面実装用のもので、ウオームホワイト色LED OSM50805C1C (OptoSupply 製)を使用した。 20mA 時に450mcd と明るいLED である。 先回工作した残骸は2個残っていたのでこれを活用するとして、さらに個数を増やすには、同様な工作が必要となるが、面倒なので図に示したタイプ2のモデルも作ることにした。

 LED 部分の工作は同じであるが、支柱部分は上部の中央にφ0.7mm の穴をあけて支柱を支えるケーブルの様な形態として配線させる事にした。 するとそのバランスを取るためには、実際の電線のように空中に線を這わせる必要が出てきたが、試しに実施してみる事にした。

 タイプ1と2をそれぞれ2本づつ作り、LED 部分に接着剤を塗って接着剤が固まるまで逆さに吊るしている状態を下に示す。 この接着剤は塗布直後は乳白色で不透明であるが、固まって来ると透明になってくるのである。 チップLED はポリウレタン線とハンダ付けされているが、その強度は小さく、少し無理な力が掛ると、ハンダが取れたり、あるいは、チップLEDが分解してしまうのである。 従って、接着剤を使って固定しておくことは必須である。 何度も失敗した経験があります。

 また、上左の写真に示すように、単4乾電池を使た簡単な道具を重宝して使用しています。 配線途中には15mA の定電流素子を挿入して電流制限をしているため、LED の通電テストに気楽に使っています。 チップLED にポリウレタン線をハンダ付した時の通電チェック、プラスマイナスの方向確認、ポリウレタン線の配線加工後の通電チェック、完成品の通電チェック等々、工作のステップ毎に通電を確認していますので、安心して確実な工作を進める事が出来ます。

 

■ 配線工作

 この機関区ユニットの照明用電源は、ACアダプタから供給された12ボルトの電源を使用しています。 従って、LEDを3個直列に接続出来ますので、これに 15mA の定電流素子を加えてひとつのループにして、ユニット内の配線を検討した。

 LED を設置する場所は、TOMIXの扇形車庫内に2ヶ所、KATOの木造機関庫に2ヶ所、周囲の建物に4ヶ所、そして構内灯は4ヶ所設置する事にした。 合わせて4っのループを作ることになります。 これらをまとめて、コネクタを通して照明用電源に接続しますが、コネクタの逆接続の恐れがありますので、マイナス側にダイオードを挿入してあります。

 これらの配線はユニットの裏側で実施しており、ポリウレタン線の他に、0.28mm の銅線、0.4mm のエナメル線を使用した。 特線が集中したり、交叉する場所にはエナメル線を使用している。 そして、線にたるみを持たせるために、直線よりも少し湾曲した状態で配線しており、さらに線が引っかから無いようにクラフトテープで保護した。 その状態を下に示す。 直線直角の美しい配線とは程遠い状態である。 また、各ループをまとめたセンター部はユニバーサル基板の切れ端を使用して、CRDやダイオードもまとめて組み込んである。

 配線が完了したので、通電チェックを行ない点灯状態を確認した。

 さらに建物や屋根を取り付け、また、部屋を暗くして明かりの具合を確認した。

 4ヶ所の構内灯は思った通りに明るく輝き、満足!満足! である。

 

■ 仕上げ工作

 照明工事が無事に完了したので、線路周りの地面にターフなどを貼りつけて仕上げ工作を実施した。 完成した機関区ユニットを下に示す。 まず、建物や屋根の無い状態である。 電源は12Volt-1A のACアダプタから供給している。

 扇形車庫内のLED 設置状態である。 扇形車庫の床は木ネジで固定しているが、メンテナンス時に取り外す事を想定して、LEDの配線はハンダ付けを止めて銅線をグルグル巻きにして接続している。 3mm のプラパイプを支柱にして、配線は中を通して床下に回している。 ここは先回実施済みの工作を活用している。

 KATOの木造機関庫は、TOMIX の線路とアンマッチであるので、上に乗せているだけの状態で使用している。 このため、照明工事には地面から支柱を立てて実施する事にしたが、支柱を立てる場所が無かった。 そこで、手前側の基礎部分を地面に固定し、2本の3mm のプラパイプの支柱を立て、その上に梁を渡してLEDを設置した。 配線は支柱の中を通している。 支柱と梁は機関庫の壁に依り、外からは見えない位置にしている。

 構内灯の様子を下に示す。 2本の構内灯の間を2本の電線(ポリウレタン線)を張っているが、実物の様にピンと張ってくれなかった。 テンションを掛けると支柱が曲がってしまうのである。 模型であるので実物のように行かないのだ! LEDの光りが強いので傘の部分が少し透けているが、銀色の絵具で厚く塗っておこう。

 全体の感じは、電球色の温味みのある柔らかい光で包まれており、上々の出来であると評価しておこう。

 

 ■ レイアウトに戻す

 出来あがったユニットをレイアウト上に戻してその状態を確認した。 手持ちのモデルからSL を持ち出して並べてみた。 窓の外はまだ明るかったが、取りあえず照明を点灯してみた。

 部屋の照明も点灯した時の状態です。

 窓の外がだんだん暗くなったので、機関区の夜景を撮って見ました。

 たむろする黒い蒸気機関車のシルエットがなかなか印象的です。 また、うす暗い車庫の中も雰囲気が出ていると思われるのでこれで満足することにしました。 次はヤードを少し手入れすることにしよう。