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交流電気機関車:  ED75耐寒形 ED75 96

 

実車プロフィール

 ED75形は交流用の標準機として国鉄時代1963年に誕生し、コンパクトなボディながらハイパワーな機関車として東北本線や常磐線に投入されました。1000番代は東北本線全線電化に合わせ、1968年から1976年までに39両(1001 - 1039号機)が製造された。 高速貨物列車および20系寝台特急客車牽引に対応した高速運転用である。

 

模型プロフィール

メーカー : KATO
商品名 :  ED75耐寒形
品番 : 309-2
車両番号 : ED75 96
発売日 :  1981年
入手日 : 2011年10月13日 中古品入手
定価  :   \ 4,300.-
 

● 前後の前照灯点灯。
● 左右分割式ダイカストフレームの動力機構。
● 台車マウントのスカート部分にカプラーを装着。
● カプラーはカトーカプラーNに交換する。

連結面間距離
   103 mm
車体重量
112.9 gf
前台車動輪荷重 56.2 gf 後台車動輪荷重 56.7 gf

 分解写真

 ボディーを外した状態を下左に示す。 左右分割式のダイカスト製フレームであり、上面はすっきりとしてしっかりとした重量感がある。 電球式のヘッドランプが装着している。 片側のフレームを外した状態を下右に示す。 モータから車輪までの伝達機構がよくわかる。 これまでのモデルのように内歯歯車を使う複雑な構成から、すっきりとした機構に単純化されている。

 モータは角型のマグネットモータでスキューは無し。 軸には特殊なジョイントが圧入されている。 ウォーム軸は球面軸受に支持されており、モータとは同じ形のジョイントで連結される。 ホイールはハス歯になっており、二段ギヤにて動輪と噛合うアイドラギヤに噛合っている。

 ダイカストフレームの表と裏を下に示す。 1エンド側と2エンド側のテーキンもしっかりと表示されているのは組み付け時に有難い。

 台車もダイカストフレームになっており、片方の動輪の片側には、あめ色のトラクションタイヤが装着されている。 集電用と思われるリン青銅板があるが、なぜだか片方しか装着されていない。 中央下部には、なんとモータのノイズ対策用(?)のコンデンサーがあらかじめ装着されているのである。 それまでにどんな問題があったのだろうか。 例えばTOMIXのパワーユニットが異常反応するとか? 

 

動力特性

  ここに示す動力特性の測定は、安定化電源を使用した自動測定システムにて実施する。 測定実施日: 2014/6/5

1)速度特性:

 動力車の速度特性を測定する。

 動力機構が単純化されているので安定した特性をしめしているのではないだろうか。 現在でも充分に通用する “データ上は安定した特性” といえる。

 しかし、速度勾配は高めであり、7ボルトも供給すると新幹線並みのスピードを出すのは、少し出しすぎのような気がする。

 速度・電圧と電流・電圧共に直線的な特性である。

 

2)牽引力特性:

 動力車の牽引力特性を測定する。

 駆動側から制動側まで、直線的な牽引力特性を示しているが、牽引力・電流特性では、マイナス10グラム辺りで折れ曲がったいつものパターンを示している。

 データは比較的安定しているが、少しドリフトの様子も見受けられる。

 駆動側の粘着牽引力は、40グラム近くのあり、Nゲージでは最大級の力持ち動力車と言えよう。

 

 

3)発進特性 ランプ応答:

 超音波方式の距離センサーを使用した計測システムで発進時のランプ応答を測定した。 当車両は古いモデルであるため、走り始めの電圧は安定しておらず、何度も測定を実施した。 下に4回の測定データを示す。 グラフの見方は、「発進停止特性を測定する」を参照ください。

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 測定用のスケッチやEXCELはステップ応答用のものを流用しているので、短時間に電圧を上昇させる必要があったが、走り始めの電圧が 4Volt 近辺が3回、6Volt あたりが1回もあった。 さらに途中でピクリと動く場合も何回も観察された。 この動き始めの状態は、古いNゲージでは多く経験する現象であり、常に動いている状態を測定している(1)の速度特性では測定できないのである。

 データとしては、推定速度が変化し始める時の電圧を読み取れば良いのであるが、やや曖昧であるので、電流と電圧のグラフを作成した。 その4回のケースの電流・電圧特性を右のグラフにに示す。 ゼロから 57.5 mA/Volt の勾配で電流は上昇していくが、モータが何らかの動きを示すとその勾配は変化する。 少し回転して止まるとドリフトも発生するようである。 この勾配の値からモータの内部抵抗は 17.4Ωと計算されるが、本当だろうか?

 モータが回りだすと(1)のデータに近づくはずであるが、少し大きめの値になっている。

 

4)発進特性 ステップ応答:

 停止状態から、スケール速度 100Km/h のスピードまでステップ状に加速させる場合を測定した。 2回測定したデータを下に示す。 立ち上がりやオーバーシュート状態を観察しようとしているが、まだ未完成である。 (やや諦め気味である) この車両はフライホイールを搭載していないので、脱兎のごとく飛び出していく。

5)停止特性:

 スケール速度 100Km/h のスピードで走っている状態から、電源を突然切ってしまった状態にして、その停止までの走行状態を観察しようとするものである。

 フライホイールが搭載されていないので、直ぐにピタリと止めってしまうのである。 停止距離は2回とも、わずか 2mm であった。