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交流電気機関車:   EF70 27

 

実車プロフィール

 EF70形電気機関車は、1961年に登場した交流用電気機関車で、交流電気機関車としては数少ない軸配置がB-B-B形のF形機関車であり、北陸本線の主力機として活躍する。

 

模型プロフィール

メーカー : KATO
商品名 :  EF70
品番 : 301
車両番号 : EF70 27
発売日 :  1979年
入手日 : 2011年9月 中古品入手
定価  :   \ 4,500.-

 

● 1965年に有限会社関水金属彫工舎が、NゲージのC50を初めて発売した2年後に、電気機関車として初めて発売したのが、品番が301のこのEF70である。 しかし、少しずつ改良を重ね、初代からおよそ13年かけて、第5代目でようやく完成の域に達したようである。 これらは、同じ品番の301で発売されているので、品番で区別するのは無理なようである。

● 品番が301だったので入手するも、初期品ではなかった。 「鉄道模型考古学」によると、ナンバーがボディーと一体成型で非選択、屋根は黒色の三代目ながら、動力は最終品(五代目)で採用された左右分割式と同じ構成であるので、過渡期の四代目の製品と推定する。 マイナーチェンジとは言え、大幅な設計変更が実施されているので、品番は設計変更によるサフィックス付きか、新品番を付与すべきと思うが、このころの関水さんの品番管理は充分に確立されていなかったのであろう。
● ヘッドライト点灯、 麦球方式。
● カプラーは、カトーカプラーに取り換え

********  主要諸元と構造  *******

連結面間距離
  118.5 mm
車体重量
130.0 gf
前台車荷重(動輪) 61.4 gf 後台車荷重(動輪) 61.5 gf


 

 主要部品を分解した状態を右に示す。

 ダイカスト製の左右分割式車体フレームや、ダイカスト製の台車フレーム、および台車マウントのスカートとカプラーなどの特徴あり。

 フレームが左右分割式のもので、動力機構はフライホイールは無し、そしてモータ軸とウォーム軸の間に内歯車を使った減速歯車が挿入されているタイプである。 ウォームギヤが珍しく樹脂製である。

 モータは角ばったフレームの古いタイプのマグネットモータである。

 また、ウォーム軸受けには、含油メタルの球形軸受が樹脂製のホルダに埋め込まれている。

動力特性

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 ここに示す動力特性の測定は、安定化電源を使用した自動測定システムにて実施する。  測定実施日: 2014/6/4、 6/11

 

 1973年製の三代目EF70-27号機の例により、モータのノイズ対策としてコンデンサを事前に取り付けることにした。 このモデルの動力は、ダイカストフレームが左右分割式タイプなので、プラスとマイナスに接続する部分が車体の上部ならどこでもOKなので容易に装着出来た。 右の写真参照。 コンデンサは、KATO のチビ凸用動力ユニット(品番:11-103)に使用されていたコンデンサで、 0.1μF と判断する。  さらに、念のために部品を分解して、クリーニングと注油を実施した。

 

1)速度特性:

 動力車の速度特性を測定する。

 速度・電圧特性はバラツキも小さく、直線的である。 電流値はやや高めの150〜200mA である。

 三代目EF70-27号機(1973年製)と、この四代目EF70-27号機(1979年製)とでは、これだけ違うのかと判断するのは早計だろうか・・・・・・。 たった1台ずつで、かつ両方とも中古品で・・・・・・・。

 試しに、牽引力測定後も再測定を実施したが、三代目の様な変化は無かった。 ただ、低速での乱れが少し気になるところである。 目視観察でも、動きがぎこちなくなる場合があった。

 

 

2)牽引力特性:

 動力車の牽引力特性を測定する。

 この特性も比較的安定したデータを示しているが、牽引力の特性パターンに注目したい。 牽引力・速度特性では駆動領域から制動領域まで一直線の傾斜を示しているが、牽引力・電流特性ではマイナス8グラムのあたりで折れ曲がっている。 さらに、電圧によって逆転しているのである。

 例えば、牽引力10グラムを発揮する時に必要な電流値は、電圧が6.5V時には190mA であるのに、5.5V時には230mA で、4.5V 時には210mA でる。 電圧が5.5V時はなんだか変なのである。 制動領域でも、一部分が膨らんでいるし、牽引力・速度特性でも速度が低めである。 測定順序は、4.5V、5.5V、6.5Vと順番に測定したので、中間だけ異常があったとは考えにくい。 何だか狐につままれているような気がする。

 

3)発進特性 ランプ応答:

 超音波方式の距離センサーを使用した計測システムで発進時のランプ応答を測定した。 当車両は古いモデルであるため、走り始めの電圧は4ボルト前後で、走り始めているが、急に飛び出すことは無かった。 下に4回の測定データを示す。 グラフの見方は、「発進停止特性を測定する」を参照ください。

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 走り始めの電圧が 3.5 Volt 近辺が2回、4.5 Volt あたりが2回であった。 途中でピクリと動く場合も観察されたが、発進後は急に飛び出すことは無く走りだしている。 これは、最近のモータような強力な磁石を使用していないためなのだろうか。 あるいは、伝達機構の摩擦との関係なのだろうか。

 この4回のケースの電流・電圧特性をまとめて右のグラフにに示す。 電流の上昇具合が異なっている場合があるが、上昇スピードの関係なのだろうか。

 他の3回のデータより、ゼロからおよそ 65 mA/Volt の勾配で電流は上昇していくが、この勾配の値からモータの内部抵抗は 15Ωと計算される。

 モータが回りだすと(1)のデータに近づくはずであるが、すこし高めに出ている。

 

4)発進特性 ステップ応答:

 停止状態から、スケール速度 100Km/h のスピードまでステップ状に加速させる場合を測定した。 2回測定したデータを下に示す。 立ち上がりやオーバーシュート状態を観察しようとしているが、まだ未完成である。 (やや諦め気味である) この車両はフライホイールを搭載していないので、立ち上がりは早い。

5)停止特性:

 スケール速度 100Km/h のスピードで走っている状態から、電源を突然切ってしまった状態にして、その停止までの走行状態を観察しようとするものである。

 フライホイールが搭載されてないので、停止距離は 2mm と 2.5mm であり、目視観察では、パタン・キューの急停止状態であった。