レーティッシュ鉄道 アレグラのモータ付き先頭車 ABe4/4 35008 号車

実車プロフィール

 スイスのレーティッシュ鉄道の本線系統およびベルニナ線で使用される山岳鉄道用電車で、愛称は「アレグラ」。 低床式のバリアフリー化や冷房化などのサービス向上と運行の効率化を図っている。

編成名はABe8/12 3508 で、その車両は ABe4/4 35108 + Bi 35608 + ABe4/4 35008 の3両固定編成で構成されており、2010年9月に製造されている。

本形式は片運転台式の電車であるABe4/4 351形電車と中間客車のBi 356形部分低床式客車、同じく片運転台電車のABe4/4 350形電車[2]からなる3両固定編成を総称してABe 8/12 3501-3515形としたものである。

 

模型プロフィール

● 発売年: 2015年5月発売
● 購入日: 2021年11月新品購入
● セット品名: レーティッシュ鉄道ABe8/12<アレグラ> 3両セット
● セット品番: 10-1273
● セット定価: ¥16,280.-
● 動力車品名: ABe4/4 35008
● 動力車品番: 4998-3
● フライホイール付き動力車

 

諸元と分解調査

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■ セットの内容

 このセットは、実機と同じ様に3両をセットにしているが、固定編成でははない。 動力は、3両目のABe4/4 35008号機に組み込まれている。

 列車の編成内容は、「レーティッシュ鉄道 アレグラ」を参照下さい。

 

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 新登山鉄道レイアウトでは、ホームの長さが短いので中間の客車部分を外して編成させている。

 

■ 動力車の分解調査

 モータ付き先頭車のABe4/4 35008 号車を分解して、動力車の構成を観察してみよう。 まず車体を取り外した状態を四方から見る。

 屋根のパンタグラフやコマかな造作もしっかりと作られているようである。 また、先頭車としてのヘッドライトやテールランプの構成も工夫されている。

● 動力車としてのシャシー構成を観察する。 ダイカスト製のシャシーは左右分割形であり、台車部の保持部材と底面のカバーで固定されていた簡単な構成である。

 台車を外した状態を下左に、さらに、台車部の保持部材を取り外すしてシャシーを左右に分解するとモーターが現れる。

● 部品一覧

 大まかに分解した状態を下に示す。

● 駆動部分

 モータは、フライホイール付きの2極3スリットモータであった。 モータホルダ付である。

 モータを抱きかかえていたシャシーの裏表を下に示す。 上面には集電シューが取り付けられていた。

 駆動台車は分解していないが、最近のKATOの構成と同じ仕組みである。 今回の台車のレリーフ部分は端部をかなり削っている。 その利用は、「KATO Allegra のミニカーブ走行性」(2021/11/25)で説明しているように、ミニレイアウトを走行させるため台車の回転範囲が大きくなるようにしたのである。

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 また、シャシーを固定している台車部の保持部材と底面のカバーを上右に示す。 この保持部材は前後で異なっている形状をしており、先頭車の運転台の形状に合わせて工夫されているようだ。

● 照明関係

 ヘッドライトとテールランプの構成を見てみよう。 照明ユニットはシャシーの中央部に設置されており、そこから細長い導光部材で先頭部に導いている。 導光部材は左右に分かれており、一方は照明ユニットの表のLEDを、他方は裏のLEDを導光するようになっており、前進時のヘッドランプと後進時のテールランプの導光を別々に行っている。

 また、細長い導光部材の一方の途中から一部分岐しており、そこから運転台に仕組まれた新たな導光部材によって、先頭のヘッド部分に光を導いている。 これは、前進時に点灯します。

 照明ユニットの表側し下左に、裏側を下右に示す。 表の中央部には、チップコンデンサがハンダ付けされていたが、撤去している。 その理由は「ライトユニット3101のコンデンサの影響」(2021/6/13)と同じです。 また、小さいチップコンデンサはLEDと並列の設置されており、560Ωの抵抗と直列配列を構成したスバナ回路回路を構成し、モータの逆起電力による反対側照明のチラツキを防止しているものと判断しています。

 また、室内灯については、チラツキを防止した自作の室内灯を工作しています。 「レーティッシュ鉄道 アレグラ号の室内灯工作」(2021/11/30)を参照してください。

 

動力特性

 未測定