HOME >> マイコレクション > 電車・気動車類 リスト > 313系 クモハ 313-3020 号車
313系はJR東海の直流近郊型電車である。 1999年に登場し、2両・3両・4両・6両・8両編成が存在する。JR東海管内の電化区間で主力車両として運行されている。 そのバリエーションは多岐に亘っており、各路線に応じた仕様となっている。
3000番台は、セミクロスシートでワンマン運転対応の2両編成で、主に飯田線・御殿場線・身延線用の静岡車両区や大垣車両区で活躍する。
メーカー : KATO
セット品名 : 313系 3000番台 2両セット
セット品番 : 10-423
車両品名 : クモハ 313-3020 (モータ付動力車)
車両品番 : 4449
発売日 : 2005年 再生産品
入手日 : 2006年9月25日 新品購入
定価 : \7,350.-
.
●このモデルは、 2002年以前に発売されたモデルの再生産品であり。
● カプラーはKATOの伸縮密連カプラーを装着。
● 主要諸元
連結面間距離 | 134.5mm |
車体全重量 | 68.5 グラム |
台車中心間距離 | 91.0mm |
動輪直径 | φ D = 5.5 |
台車軸距離 | 14.0mm |
ギャ比 | i = 12 |
● このクモハ 313-3020号車は2両編成の中の動力車であり、まだフライホイールは未搭載であった。
● この動力ユニットは、品番が 4449B のユニットであり、 トラクションタイヤは履いていなかった。 動力台車の拡大を下に示す。
.
● 駆動系の構成は、モハ313-8号車と同一とおもわれたので調査しなかった。 そして、減速ギヤ比は i = 12として測定すると、測定データからも確認できた。 動輪の直径は、φD = 5.5mm であるので、モータが1回転すると滑りがゼロの場合には、1.44mm 進むことになる。
● フライホイールは装着されていなかった。 ジョイントと連結するカプラー部分にモータ回転を検知するためのマーキングを実施している。
● 電車系の車体はボギー車構造になっており、車体の重心が中央部にあるとするならば、まさにイコライザー機構であるので、車両の重さは4本の動輪に均等に掛かるものと想定できる。 また、トラクション・タイヤは装着されていなかった。 2両編成なので駆動力は充分と考えてのことであろうか。
.
有線式の動力特性測定装置を使用して動力特性を測定する。 この測定装置では、走行中のモータ端子電圧とモータ回転数の測定を可能にしている。
モータ回転数検知のためのセンサや、端子電圧の測定端子の取り付けなどは、モハ313-8 号車と同じである。 さらにボディなどを装着した時の重さに合わせるために、水草の重りで補重している。
● 測定実施日: 2016/6/5 連結した重り車両: 65.3グラム、摩擦抵抗 0.70 グラム
測定時の状態を下に示す。
尚、室内灯は外した状態であるが、尾灯は点灯した状態で測定している。
1)速度特性:
動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を下に示す。
2)牽引力特性
いつもは、スケール速度が100Km/h 前後になるような電圧値を設定して牽引力を測定しているが、今回はモハ313-8 号車の場合と同じ設定で測定した。
3)考察
この動力ユニット(品番: 4449B)は、ローカル普通電車としての80Km/h から、新幹線並みの 300km/h のスケールスピードが出せる仕様となっている。 そして牽引力は 15グラム弱と推定できる。 そして、トラクションタイヤを履いていないのでかなり手前より滑り始めており、その滑り領域は広い。 そして摩擦係数は 0.2程度と思われるが、妥当な値と思われる。
4)モハ313-8号車との重連について
この 313系 3000番台 2両セットは、当初は単独編成のつもりで購入したが、レイアウトの充実により 313系 0番台 4両基本セットと編成させて、6両編成でも走行を楽しむようになった。 このため、二つの動力車の「重連」状態となるので、動力特性の干渉について検討してみた。
このため、測定されてそれぞれの特性を一つのグラフにプロットして、比較検討しやすいようにした。 まず、速度特性を下に示す。
同じ仕様の構成と思っていたが、モータ特性に少しばかりの差異が見られる。 その違いは電圧で見ると 0.7volt 程度、クモハ車が速い。 特性が平行に移動しているだけの様子なので、モータとしての仕様は同じかも知れない。 それはモータ単体かあるいはギヤなどの駆動機構の回転抵抗が違っているため、モータの負荷が異なったための現象とも考えられるのである。
一方、電圧降下量はクモハ車が 0.2volt 程度大きいので、トータルとして電圧に換算して 0.5volt の速度差が出ている。 この違いは、供給電圧が 5volt の場合には、無負荷走行において、100Km/h と 130Km/h の違いとして表れている。
その様子を 供給電圧が 5volt の場合の牽引力特性にて比較してみよう。
無負荷状態ではクモハ車の方が足が速いので、前方に連結させてカプラーを引っ張り状態にするのが安定するであろう。 お互いが引っ張りやっこをする領域は、負荷が−8〜+8グラム程度の範囲で、それ以外は協調した運転状態になると推定される。 そして、クモハ車はスリップ状態で走る場合が多いと思われるので、レールをしっかりとかつ、ゴシゴシと磨きながら走行するので、レールのクリーニングにもなるかもしれない(?)が、重連走行は問題無いものと判断する。
5)まとめ
313系 3000番台 2両セットでの編成は、総重量が102グラムとなり、トレラー車の抵抗が0.7グラムなので、クモハ 313-3020 号車の動力によって、137パーミルの勾配を登坂できることになる。 十分なパワーである。
また、313系 0番台 4両セットと6両編成を組んだ場合は、総重量が 272.8 グラムとなり、トレラー車の抵抗が 2.1 グラムなので、2両の動力車の牽引力合計を 31 グラムとすると、114パーミルの勾配を登坂できることになる。 これまた充分なパワーである。