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大型蒸気機関車:   D51 125  標準形

 

実車プロフィール

 D51形は、昭和11年(1936)に本線用大形貨物用蒸気機関車として、高性能を発揮できるよう溶接を多用して車体の軽量化を計るなど、当時の最新技術が投入されて誕生した。 D51形は全体で1115両が量産され、四国を除く全国各地で活躍しました。 デゴイチの愛称で広く親しまれています。

 D51-125号機は、1938年に日立製作所笠戸工場で製造され、新鶴見、静岡、中津川、稲沢、長門等で活躍し、1974年廃車後、千葉県船橋市「郷土資料館」にて保存される。 全走行距離は、2,475,048.5Km (地球を約62周したことになる)とのことです。

模型プロフィール

メーカー : KATO
商品名 : D51 標準形
品番 : 2006-1
車両番号: D51 125
発売日 : 2007年4月 再生産品
入手日 : 2007年4月13日 新品購入
定価 : \7,350-

分解調査

● D51の標準形をモデル化したもの。 スポーク先輪、点検口付デフレクター、箱形(板台枠)テンダー台車などの特徴を持つ。
● カプラーの交換: アーノルドカプラーからKDカプラーに交換する。
● ミニレイアウト走行不可: 動輪部の固定軸長が長いため、R140mmの曲線走破出来ず。

● 本品は2007年4月の再生産品である。

 

連結面間距離 149.5 mm 先輪車軸荷重 1.7 gr 動輪車軸荷重 70.3 gr ギャ比 i = 33.23
車体全重量 101.0 gr 従輪車軸荷重 1.8 gr テンダー車軸荷重 27.2 gr 動輪直径 D = φ9.5 mm

● 主要部品を分解した状態を下に示す。 部品を綺麗に並べるのがだんだん面倒になって来たので、分解時に使用している箱の中をそのまま撮影することにした。 この箱は、菓子箱の蓋を活用しているもので、分解中の車両について、一台分の部品をこの中に入れておく。 飛散防止と最後の部品チェックにより組付け忘れを防止出来る。

● 樹脂製などの部品には数字の「206」が刻印が記されているが、品番の「206」と思われる。 ボディ、テンダー、シリンダー、後台車などで、フレームにはさらにRとLが付与されていた。 「2006」と記されていたのは、先台車のみである。 品番「206」は 1973年に発売された D51標準形初代の品番であるので、この時に使用されていた部品をそのまま使用していると言うことの様である。 先台車は、4桁品番を使用するようになってから使い始めた部品と思われる。

● 上の写真は左右のフレームを内側から見た写真である。 この部品も 206R/206L と刻印されていたので、初代からの設計品なのだろうか。

● ロッドセットと動輪の様子を下左の写真に示す。 第2動輪はサイドロッドと連結していない。 トラクションタイヤは第4動輪に履かせている。 下右の写真はモータを示す。  回転子にはスキューが見られない。

● 構造や設計仕様には、多くの点でマイクロエースのD51と共通点が見られる。 発売時期からみて、マイクロがカトーを「真似た」、否、失礼! 「参考にされた」と考えてもおかしくないようである。 同じNゲージの世界なので、同じ様な設計になるのも当然かもしれない。

● アイドラギヤの歯数は、2個とも z = 30 であり、左のイラストに示す様に配置されている。 ウォームホイールは、歯数 z = 24 のホイールと、 z = 13 の小ギヤによる 2段ギヤとなっている。 第1動輪に噛合うアイドラギヤが無いのに軸だけは設置されているので、昔のモデルは使用していた可能性があるのでは?

  ⇒ 「Nゲージ蒸気機関車」さんによると1979年の二代目D51にて、サイドロッド・メインロッドが金属になり、内部の第1動輪ギヤはなくなりましたとのことです。 やはり初期モデルはギヤ駆動にしていたのだ。

● 第1動輪と第4動輪はサイドロッド連結されている。 そしてこのサイドロッドは、第3動輪とガタの多いピンで連結されている。 また、第2動輪にはロッドとは連結されていないので、ギヤ連結のみになっている。

● 動輪のギヤは、歯数 z = 18 で、第2、第3、および第4動輪に設けられている。 前のアイドラギヤは、第3動輪のギヤに噛み合って、連動するようになっている。

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● 動輪を1回転させるために必要なモータ回転数、即ち減速ギヤ比は、

     ギヤ比  i = 24×18/13 = 33.23

である。

● 後台車の構造が特殊だったので、右の写真に示す。 後台車とドローバが一体となっており、動力ユニットの本体と連結する側の穴が、長穴になっているのである。 ドローバの前後の連結穴部と車輪の3点の位置関係は、小さな半径の曲線路やS字カーブの走行突破性に影響するため、各モデルでの工夫のしどころである。

 ⇒ 「Nゲージ蒸気機関車」さんによると、この通電式ドローバーの集電線の外れが問題になった時期があるとのこと。 他のモデルでの採用が無い(?)ところを見ると、この工夫は失敗作であったのかも知れない。

● 同じ写真に先台車も撮影しておいた。 この先台車には重連用カプラーを装着するものの肝心のナックル部は切除している。 その代わり僅かに残した根元部に、φ0.5mm の穴を開けているのが判るだろうか? ここに重連専用の特殊カプラーを連結するのである。

     ⇒ 「96型SLの比較と重連運転について」にて説明

  (2013.7.14 追記)

 

動力特性

 自動測定システムにて動力特性を測定しようとしたが、モータ不良につき測定を中止しる。 詳細は「KATO D51シリーズのトラブル」を参照下さい。 さらに、モータ、および重り類を撤去し、正常なモータが入手出来るまで、重連専用の動力無し車両として使用する。  ( 2013.8.31 追記 )

 

  

速度特性:

 動力車の速度特性を測定する。 速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。
 スケール速度80Km/hは、電圧でみると、5 volt近辺である。 2voltの手前あたりから動き出し、低速走行も安定している。

牽引力特性:

 動力車の牽引力特性を測定する。電圧5voltでの牽引力・車速特性と牽引力・電圧特性を右に示す。 負荷の増大に対して、スピードは落ち気味である。 坂道等でのスピード変化は貨物機らしいと言える。 重連には対応しやすそうだ。

 最大牽引力は25グラム程度である。

 

 ( 2010.12.29 追記 )