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■ C56-144号機の動力特性
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KATO製 C56-144号機の動力特性の測定データをもとにして、「新解析法の修正」(2018/8/5)にて報告した方法で解析した結果を報告する。 そして、ここでは解析結果だけを掲載する。 解析途中での説明は、「KATO製 C12-42号機の動力特性の解析 解析説明付き」を参照ください。
◆ 見かけの摩擦係数を求める
ウォームギヤの見かけの摩擦係数を求めるために、ウォームトルク t1 と、ホイールトルク t2を求めることにする。
次に見かけの摩擦係数 μo を求める。 その計算結果をグラフにしたのが上の中央と右のグラフである。 この平均値を見かけの摩擦係数 μo とする。
◆ スリップ率のモデル式を求める
■ モデル式の定数
こうして求めた定数を一覧表示示す。
寸法関係 | 動輪直径 D | 9.2 mm | 全減速ギヤ比 i | 30.32 | ウォームのピッチ円 d1 | 4.7 mm | リード L | 1.8875 mm | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
動輪荷重 Wo | 28.1 gf | 動輪系減速ギヤ比 i0 | 2.636 | ホイールギヤのピッチ円 d2 | 6.9 mm | ウォームリード角 tanβ | 0.1278 | ||
モータ関係 | ke ( volt/rpm ) | 0.0004878 | Ra ( Ω ) | 39.2 | Eb ( volt ) | 0 volt | |||
Kt ( gf-mm/A ) | 472.5 | Rm ( gf-mm ) | 0.99 | λm ( gf-mm/rpm ) | 0.0000796 | ||||
損失関係 | 電圧降下 | 0.05 volt | ウォーク軸速度係数 λw | 0.00001 | ウォーム軸固定項 Rw | 0.3 gf-mm | 表歯面μo | 0.257 | |
テンダー等摩擦 R2 | 0.3 gf | 動輪軸速度係数 λd | 0.012 | 動輪軸固定項 Rd | 8 gf-mm | 裏歯面μo | 0.154 | ||
スリップ率 | 駆動 | k | -0.0007 | p | 0.49 | q | 0 | a | 0.2 |
制動 | k | 0.0022 | p | 0.4 | q | -0.015 | a | 0 |
尚、スリップ李モデルのn の項は駆動が 3 で、制動が 2 としている。
◆ 測定データとモデル式のマッチング具合の検証
上記の定数を使って計算した結果と測定データを同じグラフに示して、そのマッチング具合をチェックした。
マッチング具合も問題無いようである。
*********************************** ( 2018/8/22 追記 ) **************************************
「抗力係数に注目して解析する」 (2018/8/21) にて検討した解析方法に従った実施した結果を追記する。
■ 抗力係数方式のモデルの場合
別方式の解析として、抗力係数に注目したモデルにより解析した結果を追加する。
これらの結果、得られた摩擦損失の抗力項の値と、微調整により修正した速度項を下に示す。
抗力項 | 表歯面 | 抗力係数 λk | 0.723 | 抗力固定項 Rk | -0.009 gf-mm | 速度項 |
ウォーク軸速度係数 λw | 0.00007 | ウォーム軸固定項 Rw | 0.10 gf-mm |
裏歯面 | 抗力係数 λk | 2.713 | 抗力固定項 Rk | 0 gf-mm | 動輪軸速度係数 λd | 0.002 | 動輪軸固定項 Rd | 20 gf-mm |
◆ 測定データとのマッチング具合
これらの定数を使って計算した結果と測定データを同じグラフに示して、そのマッチング具合を再チェックした。
マッチング具合も問題無いレベルと思われる。
◆ ウォーム軸摩擦トルクの速度項
摩擦トルクの速度項について、モデル化した値を使って実測値と比較したグラフを右に示す。 グラフから求めた近似直線とは少しずれてはいるのは、微調整の結果である。
◆ 動輪軸摩擦トルクの速度項
動輪軸の摩擦トルクについて、遷移点のデータや抗力係数のグラフなどの値から大まかな値を把握した。
◆ 全体の摩擦損失の内容
全体の摩擦損失の内容をグラフ化してみた。 下のグラフ。 グラフの見方については、「抗力係数に注目して解析する」を参照してください。
この動力伝達機構の主な損失は抗力による摩擦損失であることが分かる。