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モータの測定データ GM コアレスモータ 5711(名鉄2000系)

■ 測定方法

 ブレーキ方式によるモータ特性測定装置を使用する。 装置への取り付け状態やジョイントの連結方法は、「GM製コアレスモータ動力ユニットのモータを測定する」を参照してください。

 

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■ GM コアレスモータ 5711 (名鉄2000系)の測定データ

モデルの品番 5711
モデルの品名 GM製コアレスモーター動力ユニット
入手時期 2019年5月 新品購入
測定日 2019年7月

 このモータは、2モータ式動力ユニットの改良型として新たに開発された動力ユニットに使用されているモータである。 この動力ユニットは、名鉄空港特急ミュースカイ2000系(品番:4051)の動力車として交換装着した。

 

 モータは 1 ボルト近くから回転を始めており、回転数と電圧は一直線である。 また、電流値は弓なりに増加する傾向である。 これはKATO製のコアレスモータにも見られた現象でもある。 また、10,000 〜11,000rpm 近辺では回転音が少し騒がしくなり、電流値もかなり変化している。 これはモータ軸の共振現象と判断する。

  トルク特性については、全領域で安定している。 また、効率が 0.8 以上と非常に高いので驚きである。 全体として低回転で高トルクなモータである。

 

■ 特性解析

 次に、この測定データを用いてモータ特性を決める定数を求める。 解析方法は、「モータ特性の測定とモデル化 モータ定数の推定方法」に示す。 まず6個の定数を求める解析を実施する。

 この結果得られた6個の定数と、それから計算されたモータ特性のデータを下に示す。

定数の推定値 特性線の勾配
Kt Rm λm Ra Ke Eb Nm-E I-E Tm'-Nm Tm'-I
844.4 1.0116 0.0002428 31.7 0.0008080 0.00 1224 0.000352 -0.02177 853.9

 

 この計算された特性線を実測データの上に重ねた状態を下に示す。 計算された特性は赤線で示している。

 無負荷回転時の消費電流の特性が見た目では大きく外れている以外、実測値と計算値はピタリとマッチしていると言えよう。 無負荷回転時の消費電流の特性のズレは、測定精度の限界と考えている。 また、モータ軸の損失トルクとして計算された値をグラフにすると下のようになる。

 モータ軸の損失トルクは、速度に比例していると言えるだろう。 一方、こちらの個体は出力トルクとも関係しているとも言えそうなのだが・・・・・・・・・。 同じ品番の個体でもこのように異なるパターンを見せているのは何故なのだろうか?