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■ 測定方法
ブレーキ方式によるモータ特性測定装置を使用する。 装置への取り付け状態やジョイントの連結方法は、「GM製コアレスモータ動力ユニットのモータを測定する」を参照してください。
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■ GM コアレスモータ 5714(名鉄2200系)の測定データ
モデルの品番 | 5714 |
モデルの品名 | GM製コアレスモーター動力ユニット |
入手時期 | 2019年7月 新品購入 |
測定日 | 2019年7月 |
このモータは、2モータ式動力ユニットの改良型として新たに開発された動力ユニットに使用されているモータである。 この動力ユニットは、鉄空港特急2200系(品番:4093)の動力車として交換装着した。
回転数と電圧はまさに一直線の比例関係であるである。 電流値を見ていると途中から急激に上昇した。 音もビリビリとなり出した。 そこで、モータ部分を指で押さえるとビリビリと振動は伝わってくるが、音は小さくなりまた電流も直線ラインに乗って来た。 これは10,000 点前から始まり、12,000rpm を過ぎるとピタリと収まってしまう。 明らかに共振現象である。 共振点は他の個体と同様に 10,000 から 12,000rpm の間である。 しかしこの個体だけ激しく共振するのはフライホイールの形状が異なるのか、あるいはバランスが取れていないためだろうか。 一応、センサ用のペイントマークが悪さをしているかも知れないと思って、ペイントをシンナーで剥がして再実験した。
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回転センシング用のマーキング無いので回転数が測定できないが、電流と電圧を測定した。 その結果を左のグラフに示す。
少し指で押さえたりして見たが、ビリビリとした振動は以前として残っていた。 モータとホルダとの保持具合によって共振状態が変化し、その動きによって軸が触れて電流が増加したのではないかと推定する。
結論として、この個体は、回転軸のバランス取りが不十分であったものと判断する。 フライホイールをモータ軸に圧入する工程で傾いたままで圧入したとか、軸が曲がってしまったとかの原因が考えられるが、見た目ではそのような振れを確認できなかったので定かではない。
次に牽引力特性を測定する。 トルク特性については、全領域で安定している。 また、効率が他の個体よりも少し下がっててはいるものの、約 0.7と高い値であった。 測定は 8volt までであったので共振点の影響が出ていない領域で実施した。
全体として低回転で高トルクなモータと言えよう。
■ 特性解析
次に、この測定データを用いてモータ特性を決める定数を求める。 解析方法は、「モータ特性の測定とモデル化 モータ定数の推定方法」に示す。 まず6個の定数を求める解析を実施する。
この結果得られた6個の定数と、それから計算されたモータ特性のデータを下に示す。
定数の推定値 | 特性線の勾配 | ||||||||
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Kt | Rm | λm | Ra | Ke | Eb | Nm-E | I-E | Tm'-Nm | Tm'-I |
763.0 | 1.182 | 0.000300 | 30.8 | 0.0008205 | 0.0012 | 1990 | 0.000539 | -0.006050 | 508.6 |
この計算された特性線を実測データの上に重ねた状態を下に示す。 計算された特性は赤線で示している。
無負荷回転時の消費電流の特性を含めて、実測値と計算値はピタリとマッチしていると言えよう。 また、モータ軸の損失トルクとして計算された値をグラフにすると下のようになる。
モータ軸の損失トルクは、速度に関係して比例するも、トルクには関係していないことが分かる。