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モータの測定データ KATO コアレスモータ C62-2B

■ 測定方法

 ブレーキ方式によるモータ特性測定装置を使用する。

 装置への取り付け状態を上左に、ブレーキ装置と連結するジョイント部を上右に示す。 製品のカップリング部品の外径にセロテープを巻き付け、そこに回転マーキングを付けたプ-リーをはめ込ん使用する。 そして、長いジョイントとの接続には、自転車用タイヤに使用されている虫ゴムを使用した。 モータ取り付け台にはセロテープとプラ板を使い、回転センサもセットしている。

 

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■ C62-2B 号機の測定データ

モデルの品番 2017-2
モデルの品名 C62 2 北海道形
発売時期 2011年 11月
入手時期 2011年 11月 新品購入
分解調査等 マイコレクション C62 2 B 北海道形
測定日 2016年11月12日

 車両番号に B を付与しているのは、同じ番号の車両が揃ってきたので、識別のために便宜的に付与したものである。

 安定している綺麗なデータを取得出来たが、特性が安定していることを示していると判断する。 消費電流が小さく、低速でもスムースに回転しているのはコアレスモータの特徴のようである。 トルク特性も綺麗に揃っており、素晴らしいデータ、いや、安定した特性のモータと言えよう。 細かな点を見れば、電流・電圧特性に於いて、7ボルトから少し段差があり、ここから特性が変化しているように見えるが、なぜだろうか?  なお、11ボルトを過ぎると急に電流値が増加しているのは、測定用プーリー部のアンバランスによる共振現象と推察している。 このため、下記の解析には、11ボルト以上のデータはカットして使用した。

 

■ 特性解析

 次に、この測定データを用いてモータ特性を決める定数を求める。 解析方法は、「モータ特性のモデル化 改良版」に示す。 まず6個の定数を求める解析を実施する。

 損失トルクのグラフでは、データのバラツキが大きいために決定関数の値が良くない。 データは、無負荷時と負荷時の両方のデータを使用して損失トルクを計算しているが、その絶対値が小さいために測定誤差が影響しているものと推察する。 従って我が測定方法の限界と判断している。 他の項目は理想的である。

 この結果得られた6個の定数と、それから計算されたモータ特性のデータを下に示す。

定数の推定値 特性線の勾配
Kt Rm λm Ra Ke Eb Nm-E I-E Tm'-Nm Tm'-I
455 1.294 0.00009215 39.6 0.00048000 0.011 2049 0.000415 -0.005607 462.6

 

 この計算された特性線を実測データの上に重ねた状態を下に示す。 計算された特性は赤線で示している。

 無負荷回転時の消費電流の特性がかなりずれているが、他の特性は実測値と計算値がピッタリと一致していることが分かる。 これは推定した6個の定数が実際の値に合致していることを証明していると判断できる。