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2軸貨車とTNカプラー

■ はじめに

 機関区に照明を復活させる事ができたので、蒸気機関車を配置したが、この蒸気機関車が牽引する車両は客車か貨車である。 客車は旧型の車両がマッチしするし、貨車は、2軸貨車がピッタリである。 現在鉄道で活躍しているコンテナ車はアンマッチである。 やはり、凸凹編成の2軸貨車で編成を組む必要がある。 そう思って、今まで色々な貨車を集めてきたが、ここで、大きな課題があった。

 それは、走行中の自然解放の問題である。 機関車類はKDカプラーを使いたかったので、殆どの車両はカトーカプラーNを使用している。 当然、2軸貨車もこのカトーカプラーNを装着しているが、我がレイアウトは整備不良のため、線路が凸凹であり、そこを通過するたびに編成のどこかでカプラーが自然解放してしまうのである。

 対策として、線路の凸凹を修正するのが大原則であるが、我が物置部屋のレイアウトは、幾つかのブロックに分割して構成しているので、どうしてもつなぎ目で段差が出来てしまうのである。 また、季節によって木材の収縮具合が異なるために、歪が出てしまうのである。 つなぎ目をがっちりと固定してしまうとメンテナンスが出来なくなるのである。 そこで、車両側で対応する方法を検討した。

 他の電車や客車などのボギー車両は、殆ど問題は発生していないが、それは車体が長いので、多少の凸凹が有っても、カプラー部分にへの影響が少ないと想定している。 2軸貨車は車両の長さが短く、線路の凸凹による車両のピッチングによって、前後の車両のカプラー高さの差が大きくなり、自然解放が発生すると判断している。 さらに悪いことには、この2軸貨車は半分以上は中古品を買い集めたものであるため、メーカーや種類は色々あり、カプラーポケットもタイプはまちまちであった。

 カトーカプラーの連結部分をなんとか固定出来たら、多少の凸凹線路でも走行できると睨んで、あれこれ考え始めたが、カプラー自身ががっちり連結できるカプラーがある事に気が付いた。 そうです! TNカプラーです。 そこで、2軸貨車について、カトーカプラーNからTNカプラーに変更する事をトライしてみました。

 

■ 試運転の実施

 始めに、1編成を作ってレイアウトを走行させてみる事にしました。 ところが早速問題発生です。 車両の連結がカトーカプラーのようにスムースに行かないのです。 カプラーが左右や上に逃げてしまって、連結を嫌がっているのです。 そこで、線路上での連結を諦めて、下の写真のように線路脇に車両を倒して指先でカプラーを押さえながら連結する事にしました。 

 こうして全部の車両の連結が完了したら、車体を起こし、線路上に車輪を乗せて行きました。 タハー! 手間が掛りました!

 しかし、試験走行の結果は合格でした。 走行中の自然解放はゼロであり、(当然ですね!)、走行中のトラブルは何事もなくスムースに走行させる事が出来ました。 線路の凸凹部分でも、車体をすこしピッチングさせていましたが、問題無く通過していました。

 

■ 問題点

 この方法での問題点は2点ありました。

 まず、連結の方法が面倒で、手間が掛る事でした。 皆さんはどの様にされているのか分かりませんが、2軸貨車では線路上での連結は無理と判断しています。 そこで、一度編成を作ってしまたら、そのままの状態で保管しておこうと考えました。 どうやって? そうです、ヤードに係留させておけば良いのです。 そのためにもヤードを整備したのです。 約50両弱の車両をヤードに係留出来る長さに分割して、固定編成としておけば良いのです。

 駅の長さや、保管ケースの事を考慮して、一編成の長さを12両で構成する事にしました。 そして、先頭の車両は、機関車のカプラーに対応出来るようにカトーカプラーあるいはKDカプラーとしておく事にした。 また、最終車両の後ろも、カトーカプラーのままにしておきました。

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 次の問題は、中古品の寄せ集めであるので、TNカプラーがポン付け出来ない車両が有ること事でした。

 なお、TNカプラーには2種類あることを始めて知りました。 ボディマウント方式では、ボディの形式に合わせて多くのタイプがある事は知っていましたが、アーノルドカプラー対応のモデルでも、右のように2種類ありました。 一般的には品番が0391のもので対応しますが、0396のタイプは最近のシリーズに採用されたピン穴のあるタイプに対応するものです。 今までは、このタイプのモデルについて、「TOMIX製2軸貨車のカプラーを交換する」で紹介したように、ナックルカプラーで対応していましたが、今回は純正品を使ったのでポン付けで対応できました。

 

■ TNカプラーの装着状態

 我がコレクションの2軸貨車は、色々なメーカーの新旧取り混ぜたモデルが混在しています。 それぞれのモデルについて対応状況を記録しておきます。

メーカー モデル 写真 個数 工作内容
TOMIX 最新モデル 7台

自連形TNカプラー(品番 : 0396)を ポン付けする。

シャシーの品番は2713、2717、2734の3種類あった。

1台

TOMIX製2軸貨車のカプラーを交換する」で紹介した工作の対応車両である。 今回のカプラー交換に当たっては接着部をはぎ取り、針金で再組付けしている。最初からTNカプラーにしておけばよかったなぁ---!

旧モデル 4台 密自連形TNカプラー(品番 : 0391)を ポン付けする。

香港モデル

TOMY名

3台

古いタイプで少し雑な作りである。

密自連形TNカプラー(品番 : 0391)を ポン付けする。

しかし、セム8012はカプラーの上側の抑えがないので、銅線を巻いてストッパーとした。

河合商会 カプラーポケットの変更なし。 11台

密自連形TNカプラー(品番 : 0391)を ポン付けする。

但し、カプラー接続時に力を入れるとカプラーポケットが外れれるものが発生したので、ステンレス線( #33 0.24mm) を使って補強する。 作業は面倒であった。

3台

以前、KDカプラーを取り付けるためにカプラーを一部削ってしまっていた。 その後、カトーカプラーに戻した時に上記と同じ細工をしてカプラーポケットを装着していた。 今回のTNカプラー化作業に対しては、針金細工の脱着が必要となり、面倒なので先頭車両として使用することにして、カトーカプラーのままにしている。

1台 片方に接着されているKDカプラーは、そのままにしておく。 反対側のみTNカプラーに変更。
マイクロエース **** 2台

このモデルは古いタイプの様である。

密自連形TNカプラー(品番 : 0391)を ポン付けする。

KATO サスペンション機構の有無による変更はあるが、カプラーポケットは変更なし。 10台

カプラーボックスや車体の大きな穴からバネが飛び出してしまうので、銀紙で塞ぐ。 また、本来のバネの多くが行方不明となっていたので、他のメーカのバネも使用した。

車掌車 4台 最後尾の車両として使用する。 このため、後ろ側のカプラーはカトーカプラーのままにして置く。
改造 マイクロのC56バック走行対応車両 2台

この車両はマイクロのC56バック走行対応の特殊車両であるので、このままにしている。

 「マイクロのC56を加工する」参照。

 

 ◆ なお、2軸貨車として、国鉄ワム80000形貨車を12両を所有している。 KATO製を7両、河合製を5両であり、この編成はモデルが揃っているので自然解放は今のところ発生していない。 このため、カトーカプラーのままにしている。

 

■ まとめ

 カプラー交換は “簡単!簡単!”と思っていたが、意外と手間取ってしまった。 面倒だったのはKATO製と河合製のモデルであった。 カトーカプラーの場合、ライバルメーカーのモデルに取り付ける時は簡単であったのに、TNカプラーはそうはいかなかった。 今まではカトーカプラー専門で来たが、TNカプラーのメリットと共に、デメリットも知ることが出来たので、今後は上手に使い分けて行くことにしよう。

 また、今回の作業で凸凹編成の貨物列車が4本作ることが出来るので、D51や小型蒸気機関車に牽引させて走らせることにする。

 

■ 走行動画を撮影

 貨物列車の走行シーンを撮影しました。 D51で牽引した凸凹編成の貨物列車です。 D51は、KATO製のD51-356号機(品番:206)、D51-36号機(品番:2006)、マイクロ製のD51-498号機(品番:A9501)、D51-498号機(品番:A95361)の4台を使用しました。

 外回り線と内回り線に各2列車を同時に走らせていますので、時々、自動列車停止装置 ATS が作動して列車が停止している状態も観察されます。 また、設定スピードがやや速目であったので、D51が牽引する凸凹編成の貨物列車にはもう少しのんびりと走らせるのがマッチするかと反省しています。