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Bトレ・カシオペアとS系カシ釜

■ Bトレ・カシオペアの組付け

 

 予約しておいた初回限定品のBANDAI のBトレイン、カシオペアのAセットとBセットを一月の末に入手し、さっそく組付けました。 組付けは、何時もの通りで、何ら問題はありませんでした。 台車は、準備しておいたKATO の小型車両用台車通勤電車2(11-097) を使いました。 細工としては、台車の脱落防止のために何時ものように小釘を使った抜け止めを実施しています。 工作内容はRT鉄道の紹介を参照下さい。 また、下の写真の様に、水草の重り 5〜6 グラムをシャシーの真ん中に、お饅頭のようにギューと押しつけて貼付けており、この重りの追加によって走行安定を図りました。 台車の首振りは、少し車体と干渉する状態ですが、脱線しなければ良しとしています。

 尚、フル編成にするには、6号車と7号車を追加する必要があり、このためはBセットをもう一つ追加しなければなりません。 そこまでは・・・・・・です。

 下の写真は、先頭側の4両を側面から見た状態です。 車両間隔が気になりますが、なかなか格好が良いですね。

 さっそくレイアウトで走行と行きたいところですが、我がメインのレイアウトはこの時点では、解体&再製作中でしたので、試運転代わりに走行させる程度でした。 先日、そのレイアウトもなんとか体裁が整ってきましたので、写真とビデオを撮影しました。この走行シーンを紹介いたしましょう。

 下の写真は、ヤードにたたず車両達、また、半径280mmのカーブの走行、そして、緩やかなS字カーブの走行写真です。

 レイアウトの様子などは、ビデオを見て頂くのが一番良いと思いますので、用意いたしました。

 

■ カシオペアの機関車について

 この初回限定セットには、EF81系の機関車がおまけとして梱包されています。 このため、AセットのEF510(カシオペア色)とEF81(カシオペア色)、BセットのEF510(北斗星色)とEF81-81(星カマ)の4台が揃うことになります。 当方にはS系のカシ釜があるので、これらの車両の出番はありませんが、とりあえず組んでおくことにしました。 動力は必要ないので、トレーラー台車を組み込んでいます。

 その後、この報告書の編集作業中に、EF81系の足が違う事に気が付きました。 そういえばKATOの台車ではスカートが干渉して組付かなかった事を思い出しました。 そこで対策として、コキ用の台車に取り替えて組付けていますね。 下の左に下から見た写真を示します。 左2台がEF510系、右の2台がEF81系です。 EF81系のスカート部分が短くなっています。 シャコタン対策としてのワッシャも組み込んでいます。

 ここで、もしBANDAI の台車を組み込んでいたら、どうなっていたのだろうかと言う疑問が持ち上がりました。 他の車両に組み込んであるそれらの台車を持ち出して比較したのが、右の写真です。 BトレのN化に詳しい諸君には説明も不要と思いますが、もし、BANDAI の台車を組み込んでいたらどうなるかは一目了然と思います。

 

■ BANDAI 製の台車を組み込んでいたら

 そうです。 下の写真がトレーラ台車を組み込んだ状態です。 KATO 製の台車と比較してみてください。 エー?・・・・・・! と言う状態です。 BANDAI 製の台車は、なんとか車体には組み込めますが、車体側面のカバーと台車が干渉して、台車が首を振る事が出来ません。 これでは、曲線路を走行出来ないでしょう。 側面から見た状態を右の写真に示します。 この写真からも明らかです。

 BANDAI さんの製品企画はどうなっているのでしょうかね。 自社の台車を使用する場合には、カシオペアの特徴的車体が表現出来ないし、車体表現を重視すれば自社の台車が使用不可能となる。 企画担当者や設計者は、どっちにするか悩んだ末に、上司の決断を仰いだのだろうか。 KATOの台車を使用すれば走行可能となるので、「車体表現重視」を選択したものと推察いたします。 

 そこで、今の我が編成では、本当にミニレイアウトを走行出来るのだろうかと心配になり、主に半径 140mm で構成された「遥友鉄道」で走行させてみました。 狭いレイアウトの中を10両編成でも問題無く走行出来る事を確認し、KATO製の台車を当初から選択した事が間違い無かったと思っています。

 振りかえって見れば、室内灯の細工が出来る事よりも、走行性を重視した判断だったということを思いだしました。 逆であったなら、肝心の走りを確保するために、細工に四苦八苦して投げ出していたかも知れません。 おそらく、見栄えは格段に低下するものの、車体の側面の出っ張りを切り取っていたと思います。 説明書やホームページなどでは、この件について何にも触れていないので、どうなっていのでしょうかね。

■ 走行抵抗について

 10両編成での走行では、その走行抵抗が気になります。 そこで、各車両の走行抵抗を測定してみました。 方法は、「抵抗挿入による特性の改善」に記載した方法で、簡単な傾斜装置を使用しました。 車両をレールの上に乗せ、転がり出す傾きを調べて微低速での走行抵抗としたものです。

  重量 40パーミルでの勾配抵抗 走行抵抗 必要な牽引力
客車1両
16.9〜18.3グラム
0.7 グラム
0.11〜0.15グラム
0.8 グラム
客車10両
173.8グラム
7.0グラム
1.4グラム
8.5 グラム
機関車(S系カシ釜)
62.8グラム
2.5グラム
駆動力に含む
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編成合計
236.6グラム
9.5グラム
1.4グラム
10.9グラム

 客車の走行抵抗は、「バンダイの走行台車を使って室内灯を細工する」でも報告の通り、0.06 〜 0.07 グラム程度と考えていたが、今回、重り追加による重量アップで 0.11〜0.15 グラムであった。 やや多めである。

 この編成での必要駆動力は、40パーミルの上り坂では、およそ11グラムの駆動力を必要とする。 しかし、我が EF510-509 号機では、右の牽引力特性グラフに示すように、11グラム程度の負荷では速度がやや低下する程度で楽々この上り坂を登る事が出来ることが判る。

 もし、BANDAI 製の台車であれば、客車の走行抵抗がおよそ 5〜6グラム増加するものの、まだ、機関車の牽引力には余裕があるので、問題無く走行出来たであろう。 しかし、KATOやBANDAI のBトレ専用の動力車では牽引力が不足し、例えKATO製トレーラ台車を履いたとしても標準勾配は無理と思われる。

 S系電気機関車の効果なり!!

 

 ご参考になれば幸いです。