HOME >> 鉄道模型工作室 >  チラツキを低減した新室内灯ユニットの形状

鉄道模型工作室  チラツキを低減した新室内灯ユニットの形状

 今回の実験と工作の目的だったチラツキ防止を追求した室内灯ユニットはいろいろな形状を試して来た。 その形状は工夫の経緯とも関係しており、その工作経緯をまとめて整理することにしました。 これによって、何故この様な形になったのかの経緯が参考になると考えました。 後期高齢者の物忘れ防止しを兼ねています。 また、搭載しようとする車両の形状に応じて、いろいろ工夫してきましたので、参考となれば幸いです。

 

■ チラツキを低減した新室内灯ユニットの構成要点

 今までの実験・検討結果より、新室内灯ユニットの構成要点を下記の様にしています。

  1. ブリッジダイオードは、ショットキーバリアダイオードによる構成であること。
  2. コンデンサは電解コンデンサとし、その容量は 100μF程度とする。 セラミックコンデンサを使用するとその効果は1/5程度に低下する。
  3. 室内灯の明るさは電流制限抵抗を用いて電流を抑えること。 標準は 1KΩにて3〜5mA程度とする。
  4. コンデンサはブリッジダイードと電流制限抵抗の間に設置すること。

 このなかで、1番目のねらいは、コンデンサに貯めた電気を電源側に逆流しないようにし、電源側のPWM制御波形への影響を防止するためである。 2〜4番目の項目は、コンデンサに貯めた電気を有効に使用するための方策である。 

 

■ 工作の経緯

 ブリッジダイオードは、ショットキーバリアダイオードブリッジを使用し、テープLEDは12V仕様の白色または電灯色を使用することを条件にしている。

No 名称 室内灯ユニット 使用状態 内容等の説明
試作品第1号

DIP型素子と電解コンデンサ使用した試作品。

  • DIP型 SDI260
  • 電解コンデンサ 100μF 16V
  • 750Ω 1/4W

新室内灯ユニットの工作」(2020/7/8)

チップコンデンサ使用の試作品

表面実装用素子とチップコンデンサ使用した試作品。 コンパクト化をねらう。

  • 表面実装用 TS260S
  • チップコンデンサ 22μF 5個使用
  • チップ510Ω
  • 16ホールユニバーサル基板

新室内灯ユニットの改良」(2020/7/9)

チップコンデンサ使用の改良品
⇒ 失敗作

表面実装用素子とチップコンデンサ使用した改良品で、コンパクトにまとめる。

  • 表面実装用 TS260S
  • チップコンデンサ 22μF 4個使用
  • 抵抗は1KΩ、1/6W 小型化する
  • 16ホールユニバーサル基板

チラツキを低減した改良型室内灯ユニット」 (2020/7/22)

セラミックコンデンサの直流電圧印加特性によって、コンデンサ容量は、DC12Vで2割まで減少。

改良型室内灯ユニットは失敗作なり」(2020/7/27)

電解コンデンサ使用の改良1号品

チップコンデンサの在庫が少なくなり、スペースに余裕があったので電解コンデンサを使用する。

  • DIP型 SDI260
  • 電解コンデンサ 100μF 16V
  • 750Ω 1/4W

改良型室内灯ユニットの工作」(2020/7/27)

電解コンデンサ使用の改良2号品  

表面実装用素子と電解コンデンサを16ホール基板の上にまとめ、よりコンパクトにする。

  • 表面実装用 TS260S
  • 電解コンデンサ 100μF 16V
  • 抵抗は1KΩ、1/6W 小型化する
  • 16ホールユニバーサル基板

改良型室内灯ユニットの工作」(2020/7/27)

チップコンデンサには直流電圧印加特性のため効果が1/5となる事が判明したので、以後はその心配のない電解コンデンサを使用する。
電解コンデンサ使用の改良3号品

表面実装用素子と電解コンデンサを16ホール基板の表と裏側に配置した。 基盤には接続用電極をハンダ付けする。 取付けは差込み方式

  • 表面実装用 TS260S
  • 電解コンデンサ 100μF 16V
  • 抵抗は1KΩ、1/6W
  • 16ホールユニバーサル基板
新室内灯ユニットの工作を続ける」(2020/7/31)
電解コンデンサ使用の改良4号品

表面実装用素子と電解コンデンサを16ホール基板の表と裏側に配置した。 工作が容易で確実な導線配線方式とする。

  • 表面実装用 TS260S
  • 電解コンデンサ 100μF 16V
  • 抵抗は1KΩ、1/6W
  • 16ホールユニバーサル基板

新室内灯ユニットの工作を続ける」(2020/7/31)

電解コンデンサ使用の改良5号品  

表面実装用素子と電解コンデンサを16ホール基板の表と裏側に配置したスタイルで、抵抗の足を移動したもの。 工作が容易で確実な導線配線方式とする。

  • 表面実装用 TS260S
  • 電解コンデンサ 100μF 16V
  • 抵抗は1KΩ、1/6W
  • 16ホールユニバーサル基板

新室内灯ユニットの工作を続ける」(2020/7/31)

電解コンデンサ使用の変形1号品

電解コンデンサの設置場所を確保するため、細長い標準的な電解コンデンサを使用する。各要素間は空中配線とする。

  • DIP型 SDI260
  • 電解コンデンサ 100μF 16V
  • 抵抗は1KΩ、1/6W

旧形客車オハ35系用の新室内灯ユニットの工作」(2020/8/3)

10 電解コンデンサ使用の変形2号品

細長い標準的な電解コンデンサを使用した上記のタイプの変形。

  • DIP型 SDI260
  • 電解コンデンサ 100μF 16V
  • 抵抗は1KΩ、1/6W

旧形客車オハ35系用の新室内灯ユニットの工作」(2020/8/3)

 

■ 使用した部品のリスト

 使用した部品は下記のような部品を使用しました。

部品 商品名 品番 仕様
テープLED 白ベース 5m 300連SMD 正面発光 12V 電球色 SMDタイプ: 3528 SMD個数: 60個/m、 動作電圧: DC12V、 消費電力: 4.8W/m、  カット可能間隔: 100mm、 発光色: 電球色(ウォームホワイト)
白ベース 5m 300連SMD 正面発光 12V ホワイト SMDタイプ: 3528 SMD個数: 60個/m、 動作電圧: DC12V、 消費電力: 4.8W/m、  カット可能間隔: 100mm、 発光色: 昼光色(クールホワイト)
ダイオードブリッジ ショットキーバリアダイオードブリッジ SDI260 60V2A 逆電圧:60V、 平均順電流:2A、 ピーク順電流:50A、 順電圧:0.68V、 端子間容量:130pF、 パッケージ:DIP4
表面実装用ショットキーバリアダイオードブリッジ TS260S 60V2A 逆電圧:60V 平均順電流:2A 順電圧:0.7V(IF=2A) パッケージ:MICRO DIP
コンデンサ アルミ電解コンデンサー100μF ルビコンMH5 100μF16V105℃ 低背アルミ電解コンデンサ(105℃品)、シリーズ名:MH5、 特徴:105℃、高さ5mm、 静電容量:100μF、 耐圧:DC16V、 サイズ(ΦDxL):6.3Φx5mm、 カテゴリ温度範囲:-40~+105℃、 耐久性:105℃、1000時間
導電性高分子アルミ電解コンデンサー OS-COM 100μF16V105℃

サイズコードC6: φ6.3×6mm、静電容量:100μF、 耐圧:DC16V、ケースNo 948

(注記)この商品を選択したのは、外観が白色であったという単純な理由からです!

電解コンデンサー ルビコンPK 100μF25V85℃ 100μF25V、85℃、φ5×11mm、標準的な細長タイプである。
チップ積層セラミックコンデンサ 22μF25V 22μF、25V、サイズ:2012、X5R
基板 16ホールユニバーサル基板   材質:FR-4、穴仕上げ:スルーホール ランドピッチ:2.54mm 板厚:1mm 外形:10mm×10mm
抵抗 カーボン抵抗750Ω 750Ω 1/4W テープLEDの特性より、約6mAになるように選定
カーボン抵抗1KΩ 1KΩ 1/6W テープLEDの特性より、約4mAになるように選定、明るさをおさえる。

 

■ まとめ

 いろいろな形状の室内灯ユニットを工作して来たが、最終的にはNo.8の電解コンデンサ使用の改良5号品に落ち着いた。 また、色々なコンデンサを使ってみたが、標準タイプ、あるいは背の低い100μFのアルミ電解コンデンサを使用することにした。

 

ページトップへ戻る .


 2020/8/15 作成