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鉄道模型実験室 No.233  新しいテープ式室内灯 放電特性の実験3

 テープ式LEDを使った室内灯ユニットについて、新しい製品である5ボルト仕様のCOBテープLEDや、高容量のチップコンデンサを使って検討している。今回は、電流制限部品として使用する抵抗とCRDの比較を実験した。

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■ 実験内容

 この実験の狙いは、コンデンサに蓄電した電気を下流側に流す場合、その流れを制御する部品として、抵抗を使った場合とCRDを使った場合を比較しようとするのです。

 「放電特性の実験1」(2024/3/1)での放電カーブの違い、そして「チップコンデンサとCRDの特性調査」(2024/2/29)での疑問に対する解答を探ろうとするものです。

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 実験方法は、先回の実験1と同じです。右の写真。電流制限部品として、510Ωの抵抗と、18mAの定電流ダイオードCRDを使って、その上流側の電圧と、流れる電流を測定することにします。

 勿論上流側には、蓄電部品として100μFの電解コンデンサを接続しています。 下左の写真は抵抗を接続した状態で、下右がCRDを接続した状態です。

 オシロのチャネル1は制限部品の上流側に接続し、チャネル2を制限部品の下流流側に接続し、GNDは電流測定用の5Ωのシャント抵抗の下流側としています。即ち、

チャネル1ではコンデンサの電圧を、チャネル2ではコンデンサから放電される電流を観察していることになります。

 

■ 実験結果

 チャネル1とチャネル2の観察波形、即ち、コンデンサの電圧とコンデンサから放電される電流の観察波形を下に示します。左側が 510Ωの抵抗のばあいで、右側が 18mAの定電流ダイオードの場合の波形です。

   

 抵抗を使用している場合は、部品特性を測定した「チップコンデンサとCRDの特性調査」の特性グラフからも分かるように、電圧とそこから流れる放電電流は比例しているので、両者の曲線はピタリと一致しています。 但し、一定状態の場合の画面上の電圧位置がピタリと一致していますが、これは設定条件によって一致したものなので、まったくの偶然です。

 次に同じ状態で、抵抗をCRDに取り換えた場合の右上の波形を見ると、電圧と電流は異なった波形を示しています。電圧は一般的な減少カーブを描いているいるのですが、電流値のカーブは最初は緩やかな曲線からから始まり、その後徐々に減少していることが分かります。

 この二つの波形を拡大して重ねてみました。

 設定項目等はまったく同じなので、容易に比較することができました。

 まず電圧の変化具合(CH1)から見ていきますと、最初の方の変化は同じようですが、途中から抵抗使用の場合はなだらかに変化して、より長く持続しています。次に放電電流の変化具合(CH2)を見ると、CRDの場合は最初は緩やかに減少していたものの、途中から勾配が急になり、最後には抵抗の場合よりも小さくなっています。

 CRDの特性グラフを念頭においてこのグラフを観察すると、自分は充分に納得いったのですが、皆さんは如何ですか? 

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 電圧の変化をコンデンサに溜めた電気量の変化と見るならば、CRDの場合は、電圧が低下しても放出する電気量(即ち電流値です)は一定の値を流しています。この電流値は抵抗使用の場合よりも多いため、電圧は一直線に下がっていきます。そして、抵抗使用の場合よりも早く電気は無くなって染むのです。

 これは、コンデンサに溜めた一定の電気量を、初期段階で一定値の電流を流して後は息切れしてしまうすのか、あるいは減少するのは早いけど最後までじわじわと流し続けるかの違いと考えます。

 

 ところで、ここで新たな疑問が出てきたのです。それは、電流値がどこまで落ち込むと、チラツキ現象として人の目に感じるのだろうか? LEDの特性にもよるのですが、電流値が半分になった時なのか、4分の1まではOKなのか分かりません。半分ならばCRDが有利となり、4分の1ならば、同等であると言えるのですが・・・・・・。

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 さてさて、どうやってこの課題を検証しようかと思案中です。

 

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 2024/3/3