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物置部屋のレイアウト   ヤード操作盤の工作 その1 

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 以前より保留していた物置部屋のレイアウトの機関区とヤードを改造しています。 目的は、ヤードの操作性を向上させようとするのである。 今回はその操作盤の工作を始めました。

 

■ 操作盤のポイント制御方法の検討

 このような操作盤の工作は初めてである。 そこで、ネット情報を参考にして大雑把に捉えると、

  1. それぞれのポイントをトグルスイッチで直接制御する方法
  2. 留置線の路線を選択し、それに合わせて自動的にポイントを制御する方法

の二つの方法で実施されている例が多く見られた。 第2の場合は、マトリックスを組んでポイントを選択している場合や、マイコンなどを使って制御している方法が見受けられた。 そして、それぞれの方法でのメリットやデメリットを考えると、留置線の配置は簡単なようであるものの、ポイントの制御は意外とややこしい事に気が付いた。

 特に、留置線3のポント制御は、右回り用か左回り用で使用するかによってポイントの選択が異なってくるので、何らかの意思表示が必要となってくる。 それなら、ポイントを直接操作するのと変わらにような気がして、第1のポイントを直接操作する単純な構成にすることにした。

 ポイント操作は、図示の部分のトグルスイッチを操作すれば、それに応じたポイントが動くようにしておく。 右側と左側の構成は対称形なので、C1とC2、D1とD2、などはひとつのスイッチで連動するようにしておけばよい。 これは、今までのKATOのポイントスイッチを使用した場合と同じである。

 ポイントの駆動方法は、自動運転でも採用してきたコンデンサ駆動方式とすることにした。 トグルスイッチとコンデンサの組合せの単純な構成である。

 

■ 経路表示用のLEDの構成

 ポイント操作に合わせて、選択された線路の経路を表示させる方法を検討した。 留置線の1や2ではスイッチの選択に合わせて表示させればよいが、留置線3の場合は、右回り用か左回り用で使用しているのを表示させる必要がある。 ポイント駆動回路が簡単に済む代わりに、表示回路がややこしくなるのである。 そこで、表示に必要なブロックを作り、そのブロックに合わせてLEDをひとつあるいは複数個配置すれば良いと考えた。

 そのブロック構成を下に示す。 アルファベットがトグルスイッチを示し、カタカナがLED表示ブロックを示す。

 ここで問題となるのが、第3の留置線関係である。 スイッチ D、E、F の関係において、その選択状態に応じてLEDブロックのハ、ヌ、リ の表示を変え無ければならないのである。 右回り用として使用する場合は、を点灯して、を消灯するさせる。 左回り用として使用する場合には、を点灯させて、を消灯させる。 他の留置線を使用する場合は、も消灯させる必要があるのである。

 このための制御回路は、わざわざマイコンを使う必要は無いと考えて、ディスクリート回路で対応することにしたが・・・・・・・・・あまり自信がないのである。

 はたして、狙いどうりに作動してくれるのか、ブレッドボードに回路を組んで確認してみた。 さすがに 実験室 なのだ!

 回路の修正や抵抗値のを変えて確認し、おおむねその機能を確認できたので、この方式で構成することにした。

 

■ 制御盤のメイン回路の検討

 ポイント駆動部と経路表示のためのLED表示部の回路構成が決まったので、全体の構成を検討した。 当初は、ポイント駆動部のために、DC16voltを供給源として考えていたが、「lofthonsen」さんの「コンデンサポイント切替電気講座 総集編(2)」を参考にして、15V/1.6Aアダプタを使用する事に変更した。 両渡り線を使用しないので、安全をみてこちらをチョイスしました。

 そして、ヤード内の速度調整は、KATOのパワーパックをそのまま使用することも考えていましたが、図体が大きいため諦めました。 そこで、スマートに自作のコントローラを組込むことにしました。 とは言っても、「モータドライバBD6231を使って簡易コントローラを作る」(2020/3/19)の実証済みの回路をそっくり組み込んだだけですが。 ただ電源のON/OFFを示すLEDの他に、選択方向を示すグリーンとブルーのLEDを追加しています。

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 そして、15V そのままをPWM制御すべきか、12V の落として制御すべきか迷いましたが、今年の初めに入手したものの、使い道が見つからないままのキットがあったのでこれを活用することにしました。 それは秋月から入手した大容量出力可変安定化電源キット LM350T使用 最大3A (通販コード: K-00095)です。  この半固定抵抗を使って、6〜12Vに調整して使用することにしました。

 そして、ポイント駆動部、LED表示部、給電制御部のそれぞれの系統を分離し、入り口にポリスイッチを設けて安全スイッチとしました。

 

■ 給電制御部の工作

 安定化電源は、キットを組立てました。 PWM制御部は簡易コントローラ工作の場合を参考にしながら同様な工作を実施し、これらを取付ける台をあり合わせの木材で作りました。 右の写真。

 そして、設置場所を探していたACアダプラからのプラグ差し込み口をここに設けて電源の取り入れ口としました。

 さらに、PWM制御された給電配線を線路と接続するコネクタとして、KATOの分岐コネクターを側面に固定しました。 下の写真。

 

■ ポイント駆動部の工作

 13個のトグルスイッチを使って、18個のポイントを駆動させる必要があります。 それぞれの回路は単純な構成で独立していますが、さて、コネクタのどちら側にコンデンサを接続させれば良いのか確認しておく必要があります。 KATOのコネクタは接続方向が規制されており、方向をまちがたら差し替える訳には行きません。 配線をやり直すか、線を切断して接続方向を変えて再接続(ハンダ付けと絶縁)する工作を実施するはめになってしまいます。

 そこで、事前に確認して置くことにしました。 実験装置は、「ポイント駆動回路の検討 その1」(2019/1/24)で使用したものを使いました。

 テストは、ポイントを定位と反位に駆動する場合、コネクタのどちら側がプラスにする必要があるのかを確認しました。 赤黒のポイント駆動線に於いて、赤側をコンデンサ側に接続すると、コンデンサ充電時にポイントは分岐側に駆動されることを確認しました。 コンデンサを放電状態にすると直進側に駆動されます。

 この赤黒配線のコネクタは、赤色が丸形に、黒色が角型のコネクタ接続口に取り付けられています。 ポイントの定位を直進側とするならば、赤線、丸形コネクタ口をコンデンサ側に接続して於けば良いことになります。 今回の線路構成では、ポイントの定位は全て直進側に設定していますので、丸形コネクタ口をコンデンサ側に接続することにしました。

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 こうして、配線の方向が決まりましたので、ポイント駆動部の工作を始めました。 コンデンサは2200μFを使用し、ポイント毎にコンデンサを配置します。 そして、KATO製ポイントと接続するコネクタを18個設けることにした。

 コネクタはKATO製分岐コネクタ(品番:24-825)を加工して使用します。 手始めに最初のコネクトとコンデンサを取り付けて様子を確認しました。 コネクタのピッチに合わせるためにコンデンサを千鳥配置としています。

 コンデンサのプラス側はスイッチまで配線させるために足を曲げてそのまま出しておきます。 マイナス側はコネクタの丸形コネクタ側に接続します。 角型コネクタ口はGND線となるので、まとめて一本の線にして取り出すようにします。

 分岐コネクタの加工は、「自動列車停止装置 試験路を作る」(2014/9/15)で使用したストック品を活用するも、数が不足していたので追加の工作を行った。

 くみ上げられたポイント駆動部を下に示す。 裏側の配線を下右に示す。 GND線はまとめて右端から取り出すようにしています。

 最後に、配線の絶縁のためにMTテープを貼り付けました。 絶縁用として使用されているビニールテープは、時間が経つにつれて接着剤がベタベタになってしまうのでMTテープの紙テープを多用しています。

 

■ 配電盤工作

 用意していた配電盤の加工を実施する。 配電盤はどこかで使用していたストック品の板がそのまま使用出来たのでこれを活用した。 あちこちに加工跡が残っているが問題無しとする。

 まず、配電盤の配置イラストから寸法を拾って、スイッチとLEDの位置をケガキ、穴加工を実施した。 また、給電部とポイント駆動部の板を取り付けるための台を接着したが、これは操作盤の表側にネジ類が出ないよう配慮したものである。

 次に、この穴配置に合わせて、表に貼るプラ板を工作した。 タミヤのプラボード(極低発砲スチロール板)1mmと、プラバン0.5mmを使用しました。 プラボードは不透明であるため、線路経路を示すチャネルを構成し、プラバンは半透明であるためLEFの光を拡散させるカバーの役割を考えました。

 出来上がりがどうの様になるのか、確認もせずに工作したため、少し不安ですが、ダメなら作り直せばよいとの気楽な考えで進めました。 二つの板は回りを白色のMTテープを使って張り合わせいます。 下左の写真は表側の半透明のプラバンです。 下右の写真は裏側から見たプラボードの状態です。 線路経路を示すチャネルを切り抜いています。

 

 次は、いよいよ配線工作です。