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交直流電気機関車:  EF510 500番台 カシオペア色

 

実車プロフィール

 EF510形交直流電気機関車は、貨物用EF81電気機関車の置き換える目的で、平成13年(2001)に登場し、旅客列車牽引用として平成21年(2009)に「北斗星」「カシオペア」用500番台がデビューしました。 スタイルそのものは貨物用を踏襲していますが、デザインは青基調の車体にゴールドの帯に直線的な流れ星マークと、貨物用の赤基調から大きく変わりました。 509号機と510号機は、2010年7月、川崎重工業兵庫工場で製造され、「カシオペア色」が施されている。 現在では「北斗星」、「カシオペア」、常磐線の貨物列車を中心に、 臨時列車や配給列車にも使用されている。

模型プロフィール

メーカー : KATO
商品名 : EF510 500 カシオペア色
品番 : 3065-2
車両番号 : EF510-510
発売日 : 2010年12月
入手日 : 2011年3月2日 新品購入
定価  : \7,350.-

 分解調査

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● ヘッドライト点灯
● フライホイール搭載新型動力ユニット。 消費電力が少なく、「パワーが向上した」新ユニットを採用

● 新旧の動力ユニットの比較については、。 ⇒ KATO EF510の新旧比較
  を参照してください。

連結面間距離
 137.5 mm
車体重量
103 gr
前台車動輪荷重
46 gr
後台車動輪荷重
46 gr
ギヤ比
i = 17
動輪直径
D = φ7.4 mm

 

 ライトユニットを取り去ると、やっとモータとフライホイールが見える。 

 シャシーは左右分割式のダイカスト製で、新サスペンション方式の採用により、板バネがシャシーの下側のエッジ部分にはめ込まれている。

 台車は、これも新方式の構成で、ジョイントの旋回中心を台車の旋回中心に持ってきて、ウォーム部分を先方に飛び出す構成にしている。 モータには大きなフライホイールが装着されている。

フライホイール部に、モータ回転数検知用の白黒のマーキングが、丁度シャシーの隙間から見えるようになっているので、特別な細工は不要であった。 赤外線の乱反射防止のために、周りを黒ペイントで塗っている。

 なお、モータ端子は、ライトユニットに取り付けられている端子と接続するようになっており、シャシーとは直接接触していない。 このため、ライトユニットを取り外して測定する性能測定時には、U字型に作った燐青銅板をシャシー部との間にはめ込んで、通電させるように細工した。

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 ギヤ比を調べるために、台車を分解した。 バラバラの状態を左の写真に示す。ギャは、m = 0.3 で Z = 14 の黒い4個の同じ歯車と、Z = 12 の灰色の歯車で構成されており、黒の歯車は、ウォームギヤとして機能している。 ウォームギヤの噛合い部を、台車の旋回中心から外したので、ウォームギヤの噛合はカーブ走行時でも無理の無い状態で作動するようにしている。 2段ギヤなどは使用していないので、動輪ギヤの歯数 Z = 17 がそのまま減速ギヤ比となっている。

 集電シューは、ピポット軸受方式である。

関連報告

◆ 走行試験の実施  (2016/2/16)
このEF510-510号機を使用して有線通信方式による動力特性測定装置のテストを実施する。 スリップ率などのデータも収集する。

 

動力特性

 【2015年3月】 改良した動力特性測定装置を使用して性能特性を再測定する。 この改良された測定装置では、従来の項目に加えて、走行中のモータ端子電圧とモータ回転数の測定を可能にしている。    2015/3/17 追記

● 測定日: 2015年3月15日、EF510-510号機の測定時の重量: 96.4グラム、 測定車の重量: 92.5グラム、走行抵抗: 1.2 グラム、  
    牽引力特性測定時の重り車両の重量:85.1グラム、 走行抵抗: 0.85グラム、  測定車の測定ユニット:モデル3、  スケッチ: New_Keninryoku_test5

● 今回の測定は、反省を踏まえて、電圧降下量の変化の影響をすくなくするため、測定するデータ量を減らし、素早く測定するようにした。

1)速度特性:

  動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を下に示す。 速度特性は、2011年3月測定時のデータよりもすこし遅くなっている。

 電圧降下量は0.3〜0.4ボルトであった。

2)牽引力特性

 測定するデータ量を減らすために、電圧パラメータを2個に減らした。 また、重り車両は、重めの車両を連結させている。

 駆動側の粘着領域での牽引力は、20グラムを超えた処でスリップしており、以前のデータのように30グラムまでには達していない。 測定方法の違いだろうか。 車輪のスリップは15グラムを超えた処から始まっており、“パワーが向上した新型動力”とは、言い難いような気がする。 7ボルトでの制動領域のパターンは、20Km/h ものバラツキを示しているが、電圧降下量のバラツキは0.1ボルト程度なので、この影響では無いと考える。 ギヤ機構の摩擦かコジレではないかと想定する。

 また、ギヤ類のの噛合い状態が変化する遷移点は、3グラム程度で、KATO製の特徴の様である。 また、電圧降下量のパターンは、傘形のパターンを呈しており、構造上の特性のような気がして来た。 μパターンは、やはり右上がりの形態の様である。

 ( 2015/3/17  追記 )     


 

 

 カタログでは、「さらにパワーが向上した新形動力を搭載」 と記載されている新動力ユニットを搭載している。

速度特性:

 動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。 速度・電圧特性は一般的な特性であるが、特に、低速領域もスムーズで良好である。

 消費電流値については、コアレスモータとは行かないまでも、以前もユニットよりも半減しておる。

 

牽引力特性:

 動力車の牽引力特性としてを右に示す。 高負荷領域での測定は充分ではないが、30グラムは超えているようで、確かにパワフルな機関車の部類に入るであろう。 制動領域でも安定したデータを測定することが出来た。

 消費電流値は全体的に低いが、力を出すにはやはり電流がそれなりの必要なのは、当然のことと思われる。