HOME >> 動力車の調査 > KATO製 C12-46号機の動力特性
■ いきさつ
.
動力特性の調査として、KATO製 C12-46号機についても測定を実施した。 測定を実施すべく分解してみると、動力伝達機構であるギヤ部は、オイルが付着していないメーカーで組み付けられたままのドライの状態であったのだ。 そこで、ハタと手が止まってしまった。 先回のまとめで考察した時の疑問について、格好の実験材料ではないかと・・・・・・・・。 そこで、このドライの状態とオイルを塗布したウエットの状態を比較することにした。
その報告は、「伝達機構ギヤ部への注油の影響」 (2018/7/11) で報告しているが、今まで報告してきた他のモデルがウエットの状態であったので、それと同等の条件として、このウエット状態のデータだけを取り上げて、C12-46号機の動力特性としてここに再掲載する。
また、この C12-46号機は、マイコレクション > 蒸気機関車リスト > C12-46号機 (2015/12/10)にて分解調査の報告しているので、ここでは省略する。 また、動力特性に関しては、電圧降下やスリップ率も測定されているが、ドライの状態であり、また、無線通信式の測定であったので、有線式の測定方法で再測定を実施した。
■ 空転回転特性の測定
先回と同様に動力伝達部分を分解し、モータのみ、ウォーム軸付、ギヤ付、ロッド付と部品を組み付けて行き、それぞれの状態を測定した。 測定結果のグラフを下に示す。 ウォーム軸を組付けた状態では摩擦抵抗が大きくなっているが、その後はギヤやロッドを組付けてもその摩擦抵抗は、モータ^にとっては抵抗にはなっていないようだ。 ウォームギヤによる減速の効果により、摩擦力の影響が小さくなっているのである。
.
■ 動輪系の回転摩擦の測定
動輪系の回転摩擦を先回と同様の方法で測定した。 測定結果は、1.8〜1.9グラムであった。 この値は、下に示す牽引力測定での遷移点データと、はぼ合致している事が分かる。
■ 速度特性の測定
動力特性の測定のために、いつもの様な細工を実施した。 右の写真。 そして、リード線の支持部兼用の重り車両を連結して測定を実施した。 下に、連結した状態を示す。
速度特性の測定結果を下に示す。
電流値はバラツキはあるものの、安定した小さな値を示しています。 また、電圧降下量が 0.2〜0.6volt バラついており、C12-42号機とは様子が異なっている。 同じ構造なのに、なぜか、新しい集電構造の効果が発揮できていないようだ。
■ 牽引力特性の測定
速度特性に続いて測定台を傾けながら、牽引力特性を測定した。 データを下に示す。
今回の測定結果と、2015/12/10に報告した無線通信方式の測定結果とを比較すると、あちこちの部分で少し異なっているのが分かる。
電流値はドライ状態とウエット状態の違いで説明できるが、スリップ率の様子が異なっているのは何故だろうか。 オイルが動輪に付着して粘着力が減少したのか? 心配になって動輪部を確認したが、さすがにそのようなミスは犯していなかった。
ではなぜだろうか。 ドライ状態でのデータでも合致しないのである。 測定方法の違いか?
・・・・・・・・・・・・これは一番心配しなければならない事態なのだ。
測定方法の信頼性にかかわる事なので、もう少し検証する必要がある。
■ 負荷時の速度特性
負荷が掛かった状態では、速度によって電流値がどのように変化するのかを測定した。 測定したデータを右のグラフに示す。 駆動側では負荷無しの状態からほとんど平行移動している様子であるので、各特性は直線的でり、平行移動と言えるようだ。
■ まとめ
今回の測定結果も、2015年12月に実施したデータと比較すると、相違点が見受けられる。 測定法に関して少し自信が持てなくなって来たが、どうしようか思案のしどころである。 KATOのコアレスモータのシリーズは、あと C50 型の調査が残っているので、まずこの調査を実施してしまってから、データの横並びで検討してみることにしよう。