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鉄道模型 動力車の調査   KATO製 C12-46号機の動力特性の解析

■ C12-42号機の動力特性

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 KATO製 C12-46号機の動力特性の測定データをもとにして、「新解析法の修正」(2018/8/5)にて報告した方法で解析した結果を報告する。 そして、ここでは解析結果だけを掲載する。 解析途中での説明は、「KATO製 C12-42号機の動力特性の解析 解析説明付き」を参照ください。

 

◆ 見かけの摩擦係数を求める

  ウォームギヤの見かけの摩擦係数を求めるために、ウォームトルク t1 と、ホイールトルク t2を求めることにする。

 次に見かけの摩擦係数 μo を求める。 その計算結果をグラフにしたのが上の中央と右のグラフである。 この平均値を見かけの摩擦係数 μo とする。

 

◆ スリップ率のモデル式を求める

 

■ モデル式の定数

 こうして求めた定数を一覧表示示す。

寸法関係 動輪直径 D 9.1 mm 全減速ギヤ比 i 30.32 ウォームのピッチ円 d1 4.5 mm リード L 1.8875 mm
動輪荷重 Wo 30.8 gf 動輪系減速ギヤ比 i0 2.636 ホイールギヤのピッチ円 d2 6.9 mm ウォームリード角 tanβ 0.1335
モータ関係 ke ( volt/rpm ) 0.0004878 Ra ( Ω ) 39.2 Eb ( volt ) 0 volt    
Kt ( gf-mm/A ) 472.5 Rm ( gf-mm ) 0.99 λm ( gf-mm/rpm ) 0.0000796    
損失関係 電圧降下 0.418 volt ウォーク軸速度係数 λw 0.00004 ウォーム軸固定項 Rw 0.42 gf-mm 表歯面μo 0.308
テンダー等摩擦 R2 0.1 gf 動輪軸速度係数 λd 0.002 動輪軸固定項 Rd 11 gf-mm 裏歯面μo 0.066
スリップ率 駆動 -0.0007 p 0.43 q 0 a 0.2
制動 0.0022 p 0.38 q -0.015 a 0

 尚、スリップ李モデルのn の項は駆動が 3 で、制動が 2 としている。

 

◆ 測定データとモデル式のマッチング具合の検証

 上記の定数を使って計算した結果と測定データを同じグラフに示して、そのマッチング具合をチェックした。

 マッチング具合も問題無いようである。

 

       *********************************** ( 2018/8/22 追記 ) **************************************

       「抗力係数に注目して解析する」 (2018/8/21) にて検討した解析方法に従った実施した結果を追記する。

 

■ 抗力係数方式のモデルの場合

 別方式の解析として、抗力係数に注目したモデルにより解析した結果を追加する。

 これらの結果、得られた摩擦損失の抗力項の値と、微調整により修正した速度項を下に示す。

抗力項 表歯面 抗力係数 λk 0.723 抗力固定項 Rk -0.009 gf-mm

速度項

ウォーク軸速度係数 λw 0.00007 ウォーム軸固定項 Rw 0.10 gf-mm
裏歯面 抗力係数 λk 2.713 抗力固定項 Rk 0 gf-mm 動輪軸速度係数 λd 0.002 動輪軸固定項 Rd 20 gf-mm

◆ 測定データとのマッチング具合

 これらの定数を使って計算した結果と測定データを同じグラフに示して、そのマッチング具合を再チェックした。

 マッチング具合も問題無いレベルと思われる。

◆ ウォーム軸摩擦トルクの速度項

  

 摩擦トルクの速度項について、モデル化した値を使って実測値と比較したグラフを右に示す。 グラフから求めた近似直線とは少しずれてはいるのは、微調整の結果である。

 

  

◆ 動輪軸摩擦トルクの速度項

 動輪軸の摩擦トルクについて、遷移点のデータや抗力係数のグラフなどの値から大まかな値を把握した。

 

◆ 全体の摩擦損失の内容

  

 全体の摩擦損失の内容をグラフ化してみた。 下のグラフ。 グラフの見方については、「抗力係数に注目して解析する」を参照してください。

 この動力伝達機構の主な損失は抗力による摩擦損失であることが分かる。

 

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  2018/8/5 作成  2018/8/21 追記