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鉄道模型工作室  オハ31系旧形客車の新室内灯ユニットと尾灯

 新室内灯ユニットを客車に取り付ける作業も最後の段階となった。 残るはオハ31系旧形客車である。 集電可能な台車が無かったので作業を保留していたが、その台車を入手したので作業を実施することにした。

 

■ オハ31系旧形客車への室内灯取付け

 このKATO製オハ31系旧形客車は最初から室内灯を装着する計画は無く、台車や床下セットや車体にはそのための細工がしてありません。 このため、尾灯すら設定されていないのです。

 このため、工作派にとってはやりがいのある車両ですので、手始めに、「オハ31系の旧型客車に室内灯を組込む」(2014/5/15)にて台車の集電化加工を実施し、麦球式の室内灯を装着しました。 さらに、オハニには尾灯も工作した。 室内灯はKATO製室内灯を模して12V用の麦球を使用しました。

 その後、「オハ31系旧形客車にチップLEDの室内灯を組付ける」(2015/6/9)にて麦球式の室内灯をチップLEDの交換する作業を実施した。 さらにテープLED工作の習得に合わせて実施した「テープLEDを使って室内灯を工作する」(2019/4/26)に於いては、他の客車がテープLEDに交換するも、特に問題が無かったのでそのままの状態で、コンデンサだけを取り外した。

 しかし、この時点においても、対応する集電可能な台車が無かったので、オハ3126号車とオハニ3055号車(2台目)の2両だけは仲間外れの無灯火状態であった。 今回は、この仲間外れの車両に最新技術(?)を投入すべく工作を実施した。

 

 

■ 集電子付台車の入手と集電のための細工

 オハ31系の台車はTR11形台車ですが、もともと電気工事を必要としないモデルのため集電子付き台車を諦めていました。 そこで、先回と同様に類似品のTR23で代用しました。 オハ35一般形台車 TR23 (部品品番:5127-1D)です。

 まず最初に、集電のための構成を検討しました。 先回は複雑な集電板を作りましたが、今回は以前に入手していたEC用集電ばね6014(品番:029953-1)を利用することを考えました。 そして、先回は破棄した重り板を使ってこの集電板の押さえとすることにしました。 しかし、EC用集電ばねと重り板の組合せは、横幅が干渉しそうなので重り板を下左の写真のように削り取ることにしました。 そして、重り板の位置決めは、台車取付けのネジを使って固定することにします。

 また、シャシーには重り板の位置決めのために左右の側部に出っ張りがあり、集電ばねが取り付けられないため、この出っ張りも削り取りました。 そして、シャシーに集電子のための穴を開けます。 この工法は先回と同じです。 下右はその途中の工作例です。

 EC用集電ばねはこのままでは長すぎます。 長さを100mmから82mmに切る詰めるため、中央部で切断して二つを重ねてハンダ付けしました。 下左の写真。 重り板との絶縁を兼ねて、カプトンテープを使って集電板をシャシーに貼り付けました。 下右の写真。

 その上に重り板を取り付けて、集電板の押さえとする予定です。 した左の写真は、集電ばねとの干渉具合をチェックしています。 台車取付け部には、M2.0のネジが切ってあります。

 その台車取付け部は、下右の写真の様に、外径φ3.0mm、内径φ2.0mmのプラスチックパイプを差込んであります。 これは、台車がネジ止め方式であり、シャシーがスナップピン方式であったので、この様な細工を施し、M2の小ねじで台車を取り付けようとするものです。

 写真を見て気が付きましたが、奥側の集電板が浮いているのが分かります。 このため、集電不良になるのですが、組み付けてから通電チェック時に気が付きました。 そこで、分解して集電板の反り具合を修正すると言う2重手間の作業を余儀なくされました。

 必要な部品を揃えた状態を下左に示します。 そして、M2のネジを使って組付けた状態を下右に示す。 室内灯への通電のために電線もハンダ付けしています。 なお、この写真の床下セットはオハニ3055号車ですが、工作中に車体と連結する爪を二つとも折ってしまいました。 これでは車体への固定で出来ずに浮いてしまう恐れがあります。 幸いなことに、この部分はオハニの荷物ゾーンだったため、M2のネジを長くして車体まで貫通させ、室内からナットで固定するようにしました。 また、反対側のネジもドンピシャの長さのネジがなかったので、重り板から少し飛び出していますが、車体側の床に逃げの穴を開けておくことにしました。

 

■ 室内灯の工作

 室内灯は改良5号品に倣って工作しました。 電球色テープLEDの長さは、100mm もあるのですが、この車両には長すぎてしまいましたので、室内灯ユニットの反対側端部を少し切ろ取っています

 上の写真はオハ3126号車に取り付けた状態ですが、オハニ3055号車にも同様に取り付けました。

 

■ オハニ3055号車への尾灯の工作

 2台所有しているオハニ3055号車の一台は、既に「」()にて尾灯を工作している。 残りの一台も尾灯を工作することによってこの31系客車を二つの編成に分けることが出来、非力なC50などの中型のSLに牽引させることが出来る。 また、KATOより今月発売予定の8620形蒸気機関車でも牽引させると、昭和初期の旅客列車の編成を増やすことが出来るのです。

 まず、設置場所と尾灯ユニットの構成を検討しました。 尾灯ですから車両の後部となりますが、ここに 2mm弱のへこみが有りましたので、ここにはめ込むことにしまし。

 この凹みに合わせてユニバーサル基板を切り出し、車体にはめてみました。

 この基板の上に、赤色チップLEDを2個とチップ抵抗をハンダ付けして、尾灯回路を構成しようとしましたが、へたくそな工作によって修正しているうちに基板のランドがはがれてしまいました。 右上の写真の上側の部品。 チップLEDを立ててハンダ付けしようとしたため、手探りの細かい作業のためです・・・・・・・。 いや後期高齢者の震える手では無理なのかも知れません!

 そこで、スルーホールのあるワイヤード・ユニバーサル基板を取り出して再度挑戦です。 作業途中での点灯テスト状態を下左に示す。

 今度はうまく行きました。 回路構成を上右に示します。 ポイントはU字型にしたスズメッキ線を使ってチップLEDの支柱にしたことです。 抵抗は一つでも良かったのですが、距離があったので二個直列としました。 そして、集電板と室内灯への配線のために、M1.4の小ねじを使ってラグ端子をネジ止めする様にしました。 このラグ端子は金属キットの切れ端を使って加工しています。 完成した尾灯ユニットを下左に示します。

 後は車体に尾灯用の穴を開け、取り付けてパテで遮光すれば完成といる事なのですが、この遮光工作が問題でした。 補助のプラ板を使ってみたりしたのですが、どうしても光が漏れてしまいます。 この遮光に対して気楽に考えていたので問題でした。 あれこれ工作し直したのですが、結局は基板を裏返しにしてユニットの上側をパテで塗り込めてしまう方法に落ち着きました。 上右の写真。 このために、プラスとマイナスの電極の位置が逆になってしましました。 さらの車体後部の尾灯のための穴が余分に4ヶ所も明けてしまいました。 LEDの光の位置を変えたからです。 無駄な穴はパテで塗ってしまいましたが、その見苦しい後部姿はなしにします。

 次に、集電板も改善しました。 短縮した集電ばねの反りを真っ直ぐにし、0.1mmの粘着剤付の銅版を使ってハンダ付けしました。 集電ばねの切れ端を中央部の内側に配置して厚さを厚さを同じにしました。 手製のラグ端子をハンダ付けしたポリウレタン線も取り付けました。 下左の写真。 余分なハンダはやすりで切り取り、均一な厚さになるようしてから床下のシャシーに貼り付けました。 下右の写真。

 集電ばねの押さえも兼ねた重り板に絶縁テープを巻き付けて組立てました。

 室内の配線の状態を下に示す。 当初の予定から基板をひっくり返したために、集電ばねからの配線がクロスしています。 また、点灯チェックでの修正工作によって、せっかく綺麗に塗装した部分がクシャクシャになってしまいました。 リタッチすれば良いのですが・・・・・。

 

■ 点灯テスト

 レイアウトにて工作した車両の点灯テストを実施しました。

 室内灯に関しては合格ですが、尾灯については? 奥の車両は以前に工作したオハニ3055号車で、手前の車両は今回工作した車両です。 左右均等に光っていませんね。 これは、車体の穴あけの失敗なのです。

 昔の車両は光ファイバーを使って導光しているので、綺麗に光っていますが、今回の工作は穴から直接チップLEDが見えるので、穴の大きさ、見る方向によって、この様なひかりかたのアンバランスが生まれたものと考えます。 チップLEDと穴の光軸がピタリと一致しておればもう少し良かったのかも知れません。 面倒でも光ファイバーを使った導光方法がベターのようです。

 今回も失敗例となってしまいましたが、修正が面倒なのでこのまま良しとしておきます。 いい加減ですな!

 

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 2020/8/18 作成