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鉄道模型工作室  鉄コレ電車の電飾を工作する その3

 先回、鉄コレ電車の電飾工作を実施しましたが、その第3弾として逆点灯防止回路を組み込んだ前照灯と尾灯の工作を施すことにしました。 今回は、室内灯を含めて新たに工作するので “再工作” ではないのですが “再” の文字を無視してその3としました。

 今回のテーマは、逆点灯防止回路の組込みと尾灯ユニットの改善です。

 

■ 15m級電車 モハ4255号機の工作

 工作対象は、室内灯が未工作であったモハ4255号機を弄ることにした。 室内灯が未工作の鉄コレ電車はまだ何台か在るが、工作済みである12m級のモハ2321号機とは同じ上田丸子電鉄として、クリーム色と黒い色のツートンカラーの電車をセットにすることができるようにと配慮したからである。 「単・短編成電車類 リスト」参照。

 

● 尾灯ユニットの改善

 先回の工作では散々な工作のため、グロテスクな尾灯となったり、点灯具合が不満足な状態でした。 まず、綺麗に光ることを優先して、φ0.75mmの光ファイバーをやはり使用することにしました。 そして光源となる尾灯ユニットは取付けスペースが小さくなるようにチップLEDを使用するとして、設置場所を今までの反省を含めてあれこれ考えました。

 ヒントになったのは、尾灯を取り付けるのは電車の前面(最後部ですけと・・・・)であり、運転席のある部分であることに思いついたのです。 この運転席部分を新たな区画とし、その床面はある程度の幅が取れるので、その部分に尾灯ユニットをはめ込んでしまおうと言う魂胆なのです。

 そこで、4mm幅の角材を切り出し、そこに光ファイバーを通す穴と、その先にチップLEDを取り付ける穴を設けてパテで埋めてしまおうという作戦です。 光ファイバーの穴は、車体と共加工にしたので位置はぴったと合致します。 でも、車体に設けられている尾灯の位置では外側に寄り過ぎているため、LEDを取り付ける加工スペースがありませんでした。 このため、穴の位置を内側にかなり寄せてごまかしています。

 尾灯ユニットの工作具合を紹介します。

 チップLEDの位置決めのためにφ2.0mmの穴をあけていますが、なかなかうまく決まりません。

 そこで、配線部をテープで固定し、さらにバイスで挟んで(上右の写真)LEDの位置を調整し、その状態でパテを塗ってチップや配線の固定と遮光を実施しました。

 使用した赤色チップLEDは、1608サイズの OSHR1608C1A を使用しました。 左右の2個並列配線です。 チップサイズが1608サイズと小さいため、幾度か失敗しながらも、点灯テストで配線状態を確認しながらの作業でした。 パテで固めてしまえば安心ですが、点灯テストでは少しがっかりしました。 灰色のプラ棒でしたので、白色材とは違って光は漏れないだろうと考えていたのですが、ダメでしたね。 乳白色材よりはましな程度でしたので、最終的にはパテを塗って遮光することとしました。

 

● 前照灯の工作

 前照灯については、「C13型 小型蒸気機関車を組立てる」(2015/4/3)で報告した工作法をそのまま実施しました。 しかし、透明エポキシ樹脂の調合をいい加減に実施したため、樹脂が固まらず、結局はエポキシ樹脂の接着剤を使って補修する羽目になってしまいました。

 車体の裏側に足を広げた状態にし、車体の穴の周りをパテで埋めました。 使用したチップLEDは、ウォームホワイト色チップLED OSMW1608C1A です。

 

● 動力部の工作

 この動力ユニットは、当初はデハ301号機に装着していたユニットですが、TM-20 タイプのユニットに交換したので、こちらの車両に取り付けられていたのです。 このため、低床工作は「鉄コレ電車の室内灯・前照灯・尾灯の工作 その1」(2021/3/24)で工作済みですが、車体に尾灯ユニットを取り付けたためシャシーと干渉が生じました。 そこで、下左の写真に示すように、シャシーの先端部分を少し削り落としました。

 

● 室内灯の工作

 室内灯の工作の前に、鉄コレ独特の透明なスチロール製の窓部材を細工することにしました。 理由は、尾灯ユニットを車体に取り付けたので、このままでは車体に装着できないのです。 このため、この箱形の部材を二つに切断して、別々に装着アイディアを実施しました。 上右の写真。 短い方の窓部材は、尾灯ユニット装着時に一緒に取り付けてしまうのです。 そして別体とした長い方の窓部材は、最後の組付け時にはめ込むことができるようにしたのです。

 その結果を右上の写真に、切断部の拡大を下左に示します。 こうすると、短く切断した側を運転席の区画とすると、反対側の部材を逆方向にして組み付ければ運転席のゾーンとして区切ることができます。 そして、運転席の背中部分にテープを貼って遮光を実施すれば室内灯が車両前面に投光されることを避けることができます。 下右の写真。

 次に、室内灯ユニットを工作しました。 今回の試みとして前照灯と尾灯への配線もここから取り出すように追加しました。 と言っても電流制限抵抗を介して配線を追加しただけです。

 その配線状態を上に示します。 左側が表で、右が裏側です。  配線はφ0.29mm のポリウレタン銅線を使用しています。

 先回の実験、「逆向き点灯の防止 CRローパスフィルタの特性実験」(2022/4/20)で得られた抵抗とコンデンサの最適値に習って、前照灯と尾灯用回路用の配線はチップ抵抗 510Ωを介して取り出しています。 コンデンサは、ここに取り付けるスペースが有りませんでした。

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 必要な部品が揃ったところでそれらを車体に組込みます。 下左にそれらの部品を示します。 今回の室内灯は、箱形の窓部材と天井の間にかなりのスペースがあったので、間接照明方式を試してみることにしました。 テープLEDを窓部材側の天井に上向きで貼りつけ、天井裏には銀紙を貼ることにしました。 テープLEDは12V仕様の3連の電球色を使っています。

 

● 配線の集合

 テープLEDの端部の切れ端を使って、チップコンデンサの取り付け部材とし、前照灯近くの天井裏に張り付けて配線端末としました。 ここには、前照灯と尾灯への配線と、室内灯ユニットからの配線を集合させています。

 

● 組み立て

 動力ユニットの上面は室内灯に照らされて明るくなるように白色のマスティング・テープで覆いました。

 加工部のリタッチを実施して完成です。 前照灯と尾灯の様子を下にしめします。 尾灯点灯時、半透明な角材から光が透けて見えますが、外から見えなければ良しとしましょう。

 

■ 編成と走行テスト

 すでに工作済みの12m級 モハ2321号機と連結させ、上田丸子電鉄の2両編成としまいた。

 そして、床に設けた線路とTOMIXのPWM制御方式のパワーユニットを使って点灯テストを実施しました。 

 室内灯と尾灯は、走り出す前に点灯しますが、前照灯は走り出してから点灯します。 常点灯機能は半分不合格ですね。 これは電球色と赤色LEDの立上り電圧の違いなのです。 そして、常点灯機能は多少犠牲にしても、逆点灯防止機能を優先させた結果でもあるので、このままの状態で合格としました。

 点灯テスト時の動画を紹介します。

 次回は、尾灯ユニットのさらなる改善アイディアを持っていますので、この案による工作をフリーモのモ1031号機にてトライすることにしました。

 

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 2022/4/27 作成