小型動力車両 リスト:  たのしい街のSL列車 ※動力ユニット改良品

実車プロフィール

なし

模型プロフィール

メーカー : KATO
商品名 : チビロコセット たのしい街のSL列車 ※動力ユニット改良品
品番: 10-503-1
車両番号: ---
スケール : Nゲージ、1/150
発売日 :  2019年10月
入手日 : 2019年10月 新品購入
定価 :  \5,500.-

 

● KATOのポケットラインシリーズの中の「チビロコセット たのしい街のSL列車」である。 このセットは小さなSLが特徴であるが、SLには動力がありません。

 そこで、1番目の客車の中に動力を収めています。 この動力は非力で、かつ集電性の信頼性が悪く、今まではBトレ用の動力に置き換えていました。

● 今回の動力ユニット改良品は、その動力を改善したもので、最新のコアレスモータを使用して、小さなシャシーの中に収め、動力特性と集電性を一気に改良しています。

 

 レイアウトのどこに於いてもピッタリですね。 低速走行も可能なのでミニレイアウトには欠かせません。

 

動力ユニットの分解調査

■ パッケージ

 このセットのパッケージを下に示す。 旧モデルと同じスタイルですが、記入内容は新しくなっています。

● コアレスモータとフライホイール搭載した新動力ユニット採用。

単品としては、チビ客車用動力ユニット(11-110)として発売されている。

● カプラーポケットの設計が新しくなっているが、後期高齢者にとってはスプリングの組付け方法がやり難い。 また、連結部のアブソーバが邪魔して半径140mmなどのミニレイアウトが走行出来ない。 アブソーバが前の車両のものと干渉して脱線してしまう。 KATO製のミニレイアウトである150mmではOkだろうか?

 パッケージを改めて眺めていると、「新動力搭載」とConpactマーク、「R150対応」などがあちらこちらに記入してありました。 また、アブソーバを考慮しない場合、KATO のホームページでは、最小通過半径 R117 と記述されています。

 

■ 分解調査

 動力ユニットの表側と裏側を示す。  カプラーポケットは外れています。

 裏側の底板を外すと、ギヤトレインと集電子が見える。

 そして、シャシー本体を取り出した状態を下に示す。

 モータの入ったシャシー本体を側面などを下にしめす。 非鉄金属のシャシーの中にモータがすっぽりと押さえられているのが分かる。

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 モータは何故だかシャシーに対して少し斜めにセットされている。 ウォームギヤとの関係だろうか。 また、モータからの配線方法は、今までの処理方法と同じで、シャシーの溝にはめ込む方法である。 簡単で、確実な方法か。

 モータを取り出した状態を左に示す。 モータ軸の先端にフライーホイールとウォームが取り付けられている。 軸の先端は軸受けされていない。 細長いモータ内部で軸支されているので、不要なのだ。

 

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 モータを取り外したシャシーを下に示す。 前後の動輪間のトルク連結は平歯車のトレインになっている!

 写真は両側のシャシーを分解しようとして、ドライバでこじて、少し開いた状態であるが、これ以上は無理をするのを止めました。 なかなか硬くてガッチリと組まれていました。 ギヤトレインは、5個の歯車で構成されていました。

 また、動輪のピポット軸受けは集電子側に有るのですが、シャシー側とは浮いているのですね。 イコライザーの機構を構成しているのかな?

 

 なお、分解写真は、2019/10/29報告の「ポケットライン・シリーズの新しい動力ユニットを分解する」にて記載の写真を流用しており、それ以後は更なる分解調査は、まだ未実施です。

 なお、この新動力ユニットには、チビ凸用動力ユニット(11-109)、チビ客車用動力ユニット(11-110)の2種類がありますが、車体の外形形状が異なるだけで、動力部本体は同一と判断しています。

 

関連報告

 ◆速報として「ポケットラインシリーズの新しい動力ユニット」(2019/10/21)にて報告。

 ◆分解調査「ポケットライン・シリーズの新しい動力ユニットを分解する」(2019/10/29)

 ◆自動運転と走行動画を「卓上レイアウトで楽しもう KATOの新動力ユニット」(2019/11/1)にて紹介。

 ◆自動運転と走行動画を「卓上レイアウトで楽しもう 自動運転 その1」(2019/11/10)にて紹介。

 ◆自動運転と走行動画を「卓上レイアウトで楽しもう 自動運転 その4」(2019/11/17)にて紹介。

 ◆自動運転と走行動画を「卓上レイアウトで楽しもう 自動運転 その22」(2020/2/25)にて紹介。

動力特性

 

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● 動力特性の測定 (小型のターンテーブル式実験装置)

 新しく工作したターンテーブル式の実験装置でも測定しました。

   測定実施日:2023年10月14日

  ⇒ 「小型のターンテーブル式実験装置を作ろう 疑問点の検討」(2023/10/18)

 測定結果は、上記を参照ください。

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● 動力特性の測定 (有線式動力特性測定装置)

 測定は動力特性測定システムによって測定した。 測定実施日:2020年8月23日

 測定時の車両重量: 28.0グラム
 重り車両の重量: 29.6グラム (走行抵抗は0.2グラム)+ビームカット台車13.2グラム。 今回は測定車両の前にビームカット台車を連結した。

 

◆ 以前測定した旧モデルとの比較のために、グラフを転記する。 旧モデルは品番が 11-103 のチビ凸用動力ユニットである。

       転記元のページ: 小型動力車両 リスト「KATO チビ凸用動力ユニット/EF58 150」(2011/10/14) Bトレ-識別番号 No.61の動力車

 

● 速度特性

 平坦路の単機走行による速度特性を下に示す。 コアレスモータの採用により低速領域での安定した走行が確保されている。

  

 また、11.0ボルトでもスケース速度が150Km/h しかでないのは、小型車両用の動力としては理想的な設計である。 さらに、消費電流が一桁も小さくなっている事はコアレスモータの効果である。

● 牽引力特性

 重り車両を牽引した状態で傾斜路を走行させ牽引力特性を測定する。

 

 旧モデルの測定時の車体重量は23.5グラムである。 今回は4.5グラムアップしているが、最大牽引力は重量比率以上にアップしている。 車輪とレール間の摩擦係数がアップしたとは考えにくいので、動輪の支持方法の改良によって、車輪に均等に加重が配分されたことに影響されたのではないかと推察している。 イコライザー機能が効いているののかも知れない。