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鉄道模型工作室  通電表示灯(?)を作る

■ はじめに

 自動運転システムを稼働させている時、レイアウトを見ている人(or 運転を確認している人) が通電状態、即ちシステムの自動運転状況を確認できるようにしておくほうがシステムチェックも容易であるし、見ていても楽しいものである。

 実際の鉄道では信号機によって運行されているが、それを模型として再現しても、小さくて、その上に、電車の運転手にしか見えない位置に設置してある。 ホームへの入線と出発とでは信号機は反対方向にむいているのである。 レイアウト上で自動運転する場合には、これでは面白くない。

 そこで、レールに通電されている状態を表示させる何らかの機器が欲しくなるのである。 多くの場合、手元の操作盤に表示させるのが一般的であるが、配線が複雑になるし、そのレイアウトにあった操作盤を作ら無くてなならないのだ。 このため、もっと簡単に出来る方法として、信号機に似せた “通電表示灯”  なるものをいろいろ工夫してきた。 「エンドレールでの表示と信号処理」、「マイクロスイッチを使った車止め」、「車止め量産」、「道は遠し」 と改良してきた。

 そして、信号機に模した表示灯が出来上がったが、そのその工作内容は次の機会に紹介しよう・・・・・といってそのまま忘れていた状態であった。 今回、この工作物が壊れていたので、新しく作り直したので、報告忘れをお詫びししながら説明することにします。

 なお、この “通電表示灯” なるものは、通常の信号機とは異なるのである。 緑、橙、赤色に点灯するも、進行、注意、停止を示しているのではないのだ。 入線OK、停止中、出庫OK の制御状態を示しているのである。

 

■ 工作済みの通電表示灯の状態

 「道は遠し」にて使用した表示灯について、工作時の状態を下に示す。

 これを登山口駅とスイッチバックの3ヶ所にセットしていたが、今回のレイアウト解体時にはこの内の2個が作動不良となっていた。 原因は、断線やハンダ外れと様子であった。 そこで、修理のためにパテを削り取ろうとしたが、うまく行かず、ダメ元と思って、不良の2本をシンナー漬けにしてしまった。 その結果は見事に図星であり、タミヤパテ (TAMIYA PUTTY  BASIC TYPE  ITEM87053*250 )は綺麗に流れ去ってしまった。 攪拌、こすり、シンナー替えなど苦労したが・・・・・結果はOKであった。

 パテがここまで落とせたので修理可能となったが、次の方法を優先させたために、この後の工作は保留している。

 

■ 分解している信号機を利用しよう

 キッズ用に作ったレイアウトなどに設置していた信号機が、バラバラになって残っているのであるのだ。 これをなんとか生かす方法を考えた。

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 基板の部分が切断されているのは、センサ部分と信号機部分を離すために工作したものであるが、この基板はPICなどのマイコンが使ってあるため改造は無理と判断している。 そこで、上右の写真に示す信号機本体部分を活用することを考えた。 信号機は目元の部分でぽっきりと折れているが、その断面をみると、電気回路は生きているようであった。 ほぼ四角の断面の各角部に、裏表合わせて4本の回路が通っていたので、コモン、赤、橙、緑につながる配線と睨んで、通電可能な台を工作した。 LED工作用(?)にと秋月から購入していた 16ホールユニバーサル基板を使って4本足のスズメッキ線を立て、基板を軽く削って通電パターンを出した上にハンダ付けした。

 15mAの電流を流して、各回路を通電テストを実施した結果、すべてのLEDが点灯することを確認した。 下左の写真。 

 このままでは、通電表示灯にはならないので、そのための回路構成を検討した。

       

 左の回路図は、制御盤に送る信号回路は除いた今までの回路である。 入線OK、停止中、出庫OK の通電状態を橙、赤、緑に点灯するように構成している。 緑用のLEDが逆方向に接続されているが、TOMIX 製の信号機は全てのLED が同じ方向に接続されている。 これは当然といえは当然なのだ。 従って、接続回路を工夫して右のような回路構成にした。

 この時、橙と緑の色を交換している。 ホームへの入線時は注意せよと考えて橙にしたが、やはり違和感があり、緑に変更した。 このため、出発状態は橙になっている。

 その回路構成は、基盤の裏側でチップ部品を使って構成した。 5mm厚さのボードを細工して基板を挟み込み、白のマスキングテープを使って土台にした。

 パテを使うのは、不具合時のメンテが大変なので、容易に分解できるようにしているのである。 最後は塗装で仕上げれば良いであろう。

 

■ TOMIX製信号機を利用しよう

 上記の工作が旨く行ったので、ほかのTOMIX製信号機もそのまま利用できないかと考えるの当然でしょうね。 そこで、基盤の回路を考えるため、信号機の底のピン穴の位置と点灯具合を調査した。 その結果、4本のピン穴の位置は、赤、橙、緑、プラスの順に並んでいた。

 基板は、同じ16ホールユニバーサル基板を使い、まず信号機のピン穴のピッチ 1.25mm に合うようにピンバイスでΦ0.6mm の穴をあけた。 その穴に、φ0.5mm のリン青銅線を差し込んでピン列を作った。

 各ピンの足は、L字型に曲げ、基盤の裏側でしっかりとハンダ付けを実施した。

 そして、チップ部品をハンダ付けして上で、4本のリード線 ( 0.29mm のポリウレタン線) を取り付けた。

 点灯試験はパワーユニットを使用して、各LEDの点灯具合をチェックした。

 

■ もう一つの信号機

 これで、TOMIX製の信号機を使った2個の通電表示灯が出来たが、このレイアウトでは3本必要なのである。 正常に動く手作り品がひとつ残っているのであるが、緑と橙の表示が反対だし、形も異なっている。 悩んだ末に、まだ残っているTOMIX製の信号機を借用することにした。 ただし、4灯式なのである。 そのため、点灯回路をチェックするため分解したが、柱の部分やソケットの部分は3灯式と全く同じの形状で、4本足の回路であり、LEDの部分が何か細工してある様子である。 LEDが邪魔して回路が追えないので、3灯式と同様に点灯試験を実施した。

 各1灯ずつは3灯式と同様であったが、説明書のように2灯同時に点灯する細工が分からなかった。 でも、基板の部分は3灯式と4灯式とは、互換性があると判断して上記と同様な基盤を追加に作成して通電表示灯として使うkとにした。 下の写真。

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 上記2個の信号機本体は、何も手を加えていないので、いつでも正規のTOMIX製信号機と使用できるのは嬉しい事である。 また、信号機が壊れても別の信号機を持ってくれば機能する事もメリットなのだが、お財布との相談ですね。

  4灯式の点灯方式に不安が有ったので、実際のレイアウト上で確認したが、3灯式と同様の点灯状態を示していた。

 点灯試験の動画を下に示す。

■ 気になる事

 今回の件で、信号機に関して少し心配になってきました。 それは、信号機の本体とベースの部分の組合せをバラバラにしてしまったので、どの信号機と、どのベースを組み合わせればよいのか分からなくなってしまった事です。 まして、レイアウトに組み込んでしまったレールは判別出来ないのです。

 自分は、3灯式、2種類の4灯式を、各2個ずつ、合計6個のTOMIX製信号機を所有しています。 信号機本体はLEDの部分を見れば分かるのですが、ベースの方が判別出来ないのです。 外観は全く同じで、裏側には基板部品の品番と思しき、同じ2003の数字しか表示されていません。 もしかして、基盤類は共通なのかもしれませんが、確認できません。

 レイアウトを工作する時、あるいは修正している時、不用意に信号機に触ってしまい、なんども外れて梯子の部分を折ってしまった事がたびたび有ったのです。 このため、作業前には信号機を外す様にしたため、上下の組合せが分からなくなってしまったのです。

 こうなると、実際の状態で電車を走らせ、点灯具合を確認するしかないのですが、TOMIX さんのポケよけ対策はどうなっているのでしょうか?

 使う人の不注意だから知らない!  では済まされないと思います。 製造メーカーの設計ポリシーなのか、いや、お客さん無視の経営思想なのか、 あるいは、どのような組み合わせでも、正確に機能しますよ! という素晴らしい設計なのかもしれません。

 さて、どうやって確認しようかな?

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 2018/2/3 作成