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鉄道模型工作室  レールクリーニングカーの工夫

 室内灯ユニットのチラツキ防止を追求してきましたが、レール自身が汚れていては元も子もありません。 如何に手抜きをしてクリーンな状態を保つか、いろいろ実施してきましたが、面倒くさい作業はすぐに止めてしまって長続きがしません。 今回は、新たな工夫を考えましたので記録しておきます。

 

■ 工夫のきっかけ

 さるサイトを閲覧していた時、TOMIX のクリーニングカーを2台並べ、先頭の車両でゴミの吸引を実施し、後続の車両で線路を磨く様に設定して走らせていた紹介例を見つけました。 上手いーーー!

 自分は、クリーニングカーを一台しか持っていないので、ゴミの吸引と線路磨きを分けて実施していましたが、面倒くさい作業でした。 一度で実施できるとは、自分の工夫の無さにガックリです。 もう一台、クリーニングカーを入手すれば良いのですが、へそ曲がりの自分はある事を思いつきました。

 

■ 実施したクリーニング列車

 レイアウト上で走行させたクリーニングカーの状態を下に示します。

 なんだ、変な動力車を2台使って押しているだけではないかーーー?、と思われるかも知れませんが、この変な動力車が工夫のポイントなのです。

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 このクリーニング列車の構成を下に示します。 TOMIX のマルチクリーニングカー(品番:6421)は、吸引ファン仕様にしておき、最初に線路上のゴミを吸引させます。 そしてタンクにはクリーニング液を満たして、スポンジからレールに塗布させます。 そして、後ろから2台の動力車によってクリーニングカーを押して行きます。

 この動力車は、「 12m級のELをつくる」(2010/12/15)や、「S系電気機関車の改造工作」(2011/1/22)にて工作した車両です。 そして、「2モータ式EH10 の不調原因をさぐる」(2011/2/28)や、「2モータ化の効果を検証」(2011/12/19)を参考にして頂きたい。

 そうです。 GMの2M問題やマイクロの EH10 型電気機関車の不調の原因となった、二つの動力の干渉問題を逆手にとった方法なのです。 ふたつの動力の動力性能に差がある時、現象として現れるのは、動輪の回転の干渉問題であり、それは車輪のスリップとして表れます。 この動輪のスリップ現象を活用して、レールをガリガリと磨こうという魂胆なのです。

 このためには、2台の動力車の特性が似かよっているが、ピッタリと一致しないこと。 そして、動力性能に影響する集電特性、即ち電圧降下違いが影響しない様にふたつの動力車の電圧を同じにしておくことがベターです。

 幸い、上記で紹介してS系電気機関車の工作では、トラクションタイヤを履いていない2両の車両があるのです。 それが、EF65-105号車EF58-116号車なのです。 同じKATOの旧型のEH10 (品番:305)を種車として、Bトレモータをとりつけているのです。 この2台は音が大きくかつ牽引力が小さいので、今まで出番がありませんでしたが今回の工作にはピッタリなのです。

 レールをガリガリさせるためには、トラクションタイヤは不要ですし、大きな牽引力も必要ありません。 そして、ふたつの車両の連結をしっかり固定させると共に、その電源を共通化させるため通電配線を実施しました。

 ヘッドライトを取外し、その部分に室内灯工作で使った集電部材を活用して通電させました。 配線は太めのφ0.4mm のポリウレタン線をつかっています。 こうしてこの車両の集電は、8軸の車輪から集電するので、多少汚れているレールからもしっかりと集電してくれると思われます。 そして、前後の動力車において、動輪の回転速度の違いで車輪をスリップ状態にして、スポンジにてクリーニング液が塗布されたレールをゴシゴシと磨いてくれるものと期待したのです。

 

■ 効果の確認

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 確認方法は、クリーニング結果を観察するしかありません。 しばらく走行させていなかった物置部屋のレイアウトは、1500番のサンドペーパーで磨くものの、走行させる電車はモタモタ走行でした。 そこで、今回のクリーニングカーを外周と内周を、クリーニング液を補充しながらそれぞれ10周近く走行させました。 1周目は少しもたついていましたが、その後は快調に走行していましたので、効果が期待できます。

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 走行後の動力車の動輪を観察すると、右の写真のように、16個の車輪面はそれぞれピッカピカの状態でした。 何時ものような動きの悪くなった動輪とは様子が全く違います。 レールを磨き、自分も磨かれたもとと判断しました。

 その後、新幹線と気動車を走らせましたが快調そのもでした。 「KATO製新幹線車両に室内灯ユニットを組込む」(2022/2/26)で紹介した動画は、このクリーニングを実施した後に撮影したものです。

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 また、このクリーニング列車はミニレイアウトでも走行可能と考えて、物置部屋のレイアウトのローカル線でも試して見ました。 半径177mmのカーブも走行出来、レールのクリーニングも出来ました。 そして、走行性能が微妙なワールド工芸製の小型SLも快調に走行出来るようになりました。

 これらの結果より、このクリーニング列車の効果はあると判断しました。

 

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 2022/2/28 作成