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鉄道模型実験室 No.252  小型のターンテーブル式実験装置 減速機も復活

 小型のターンテーブル式実験装置を作りました。問題点の解決のために、昔のクラッチ制御方法を復活させました。今回はさらに、ギヤ音の低減のために、減速機を元のタイプに戻しました。そして、残りの小型動力車の特性を測定しました。

 

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■ 減速ギヤの作動音の低減対策

 駆動部のギヤボックスについては、低速領域でのPWM制御のために、「PWM制御の試運転」(2024/9/17)にて交換しています。しかし、制御性は向上したものの、作動音は非常に大きくなってしまっていたのですが、我慢して使用していました。

 制御性もさることなるが、このギヤ音にはだんだん我慢できなくなり、元のギヤボックスに戻すことにしました。右の写真。

 ● 交換していたもの:
テクニクラフトシリーズNO.5 6速ギヤボックスHE
使用している歯車は、ピニオン8T-36T/14T-36T/14T-36T/14T-36T/14T-36T/14T-36T にて減速ギヤ比は 505.9 である。
 
 ● 元に戻したもの;
テクニクラフトシリーズNO.4 ウォームギヤボックスHE、
使用している歯車は、1条ウォーム -28T/12T-36T/14T-36T にて減速ギヤ比は 216 である。

 ギヤ比は少し小さくなったもの、平歯車の数は半減しているのでギヤ音は格段に小さくなった。さらにモリブデングリスをたっぷりと塗布したので、音色も丸くなった気がした。

 下左の写真は、No.5のギヤボックスで、右の写真はNo.4のギヤボックスである。ちなみにモーターは同じモデルのモータである。

 心配した低速域でのPWM制御も、無理をしなければ充分であることが確認できた。 今まで、改善のつもりで実施したことが改悪であったのかと反省しているが、これも実施してみなければわからない失敗であるので、貴重な経験としておこう。

 

■ マニ44形の測定

 グリーンマックスの板キットを、Bトレサイズに短縮化工作を実施した車両である。そして、Bトレ用動力ユニットを搭載して隠れ補機として使用しているマニ44 号機の動力特性を測定した。

  この車両において、動力特性の測定は初めてだったので、速度特性も測定した。

 

● 速度特性

 クラッチ部分を開放してテーブルが自由回転出来るようにして測定しています。

 Bトレ用の動力台車なので、在来線の電車、特急電車、さらには新幹線用の車両に適応させるため、広い範囲の速度特性を持たせている。また、消費電流も20mA前後とBトレ動力車としては最も小さい部類なので、コジレや摩擦の少ないモデルと思われる。

 さすがにKATO製であり、特性はバラツキが少なく安定している。

 

 

 

● 牽引力特性

 牽引力を増加させるための重りによる加重を実施していないため、Bトレ台車本来の牽引力を示している。

 駆動領域におけるスリップゾーンでも、充分に測定することが出来ている。その時の牽引力は2グラム強であった。

 わずかに2グラムの牽引力ではあるが、動作不安定の小型蒸気機関車の補機としては、充分に機能している。

 制動領域における遷移点を過ぎたあたりでのデータも、きれいに取得することが出来ている。この領域でのデータはクラッチ制御方式で測定しているが、5ボルトの場合は抵抗制御方式のままで測定出来た。

 

■ Cタイプ ED14-1号機の測定

 MICRO ACEの小形電気機関車 Cタイプ ED14-1号機 を測定した。

 

● 速度特性

 クラッチ部分を開放してテーブルが自由回転出来るようにして測定しています。

 小形の電気機関車にしては、少し速度が出過ぎのようです。

 また、消費電流も 40 〜 70mA とやや大きく、モータの特性なのか、駆動機構の摩擦抵抗なのかは分かりません。

 

 

● 牽引力特性

 駆動領域におけるスリップゾーンでも、低速部分まで測定することが出来ている。その時の牽引力は 7〜9グラム程度で、小型動力車としては大きめである。トラクションタイヤ無しでもこれだけの牽引力を発しできているのは重量の効果であろう。、

 制動領域における遷移点は明確ではない。この領域は抵抗制御とクラッチ制御方式を併用して測定しているが、どちらの方式でも測定かのうであった。

 

■ Cタイプディーゼルの測定

 河合製のスイッチァー、Cタイプディーゼル機関車 の動力特性を測定した。

 

● 速度特性

 クラッチ部分を開放してテーブルが自由回転出来るようにして測定しています。 スイッチァーとしての使用を前提にしているため、速度は遅めの設定である。

 電流特性は、特異な曲線を示している。このような特性はこれまでの色々なモデルでの測定では見られなかった。このような曲線になるのは何故だか分かりません。

 なお、200mA以上の使用状態が続くと発熱がひどくなり、300mA以上では、モータが停止してしまいます。これは測定回路上に安全のために挿入しているポリスイッチX20が作動してしまうからです。

 

 

● 牽引力特性

 駆動領域におけるスリップゾーンでも、低速部分まで測定することが出来ている。その時の牽引力はトラクションタイヤなしでも12グラム程度もあるが、これは、55グラムもある重量の効果である。

 制動領域における遷移点は不明である。そして、電流特性は見たこともない垂直な特性である。これは、モータが発揮しているトルクのほとんどが、動力車の内部抵抗で消費されていることを示している。

 

 

■ まとめ

 この小形のターンテーブル式実験装置について、やっと、静かで、目標とする牽引特性の全域を測定できる方法を見つけることが出来ました。諦めずに工夫すればできるものなのですね。満足満足!

 動力特性が未測定の小形動力車はまだいくつか残っていますが、このあたりで今回のプロジェクトを完了とさせることにしましょう。

 

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 2024/10/27