HOME >> 鉄道模型実験室 > 測定データのN増し その2
先回は新しい測定装置について、今までの測定データと比較しながらどこまで改善されたのかテスト測定を実施したのですが、疑問のままであった。 このため、今度はコアレスモータを搭載した蒸気機関車を取り上げて測定データのN増しを実施した。
■ C56-149号機の測定
この車両は、KATO製の「C56 小海線」で、品番が2020-1のモデルである。 2012年新発売のものを新品購入したものである。 ここに示す従来の測定データは、「C56 149」(2013/3/31)に示す前進走行時のデータを取り上げている。
今回の測定実施: 2020/10/14 重り車両: 11.4(0.1)+65.3(0.7) グラム ()内は走行抵抗です。
測定は上記の状態で測定する。 速度特性測定時は重り車両はなくビームカッター車のみを連結する。 また、事前のメンテナンスは実施せず暖機運転のみ実施する。測定結果を下に示す。
新しい測定方法での測定 | 以前の測定方法 | ||
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速度特性 | バラツキは殆ど無し。 以前とほぼ同じ特性である。 |
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消費電流が2倍近くも大きくなっている。 原因は、前照灯の有無の違いか? |
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牽引力特性 | 特性のバラツキはほとんど無いが、パターンがかなり異なってきている。 粘着限界での滑り状態が違ってきている。 粘りがでているのかな? |
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パターンの様子が違ってきているのは何故か? 遷移点付近の様子が違ってきている。 消費電流も増加している。 |
今回の測定結果を見ていると、以前とのは別モデル(?)のような印象である。 特に牽引力特性のパターンの違いは理解しがたい。 駆動伝達機構の当たりが付いて来たので、データも安定して来たのかな?
■ C11-174号機の測定
この車両は、KATO製の「C11」で、品番が2021のモデルである。 2017年新製品を新品購入したものである。 ここに示す従来の測定データは、「KATO製 C11-174号機の動力特性」(2018/6/17)に示す。
今回の測定実施: 2020/10/14 重り車両: 11.4(0.1)+65.3(0.7) グラム ()内は走行抵抗です。
測定は上記の状態で測定する。 速度特性測定時は重り車両はなくビームカッター車のみを連結する。 また、事前のメンテナンスは実施せず暖機運転のみ実施する。測定結果を下に示す。
新しい測定方法での測定 | 以前の測定方法 | ||
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速度特性 | 測定結果は全く同じと判断する。 | ||
消費電流が2倍近くも大きくなっている。
原因は、前照灯の有無の違いか? |
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牽引力特性 | 特性のバラツキはほとんど無いが、パターンが少し異なってきているのは何故か? |
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パターンの様子が違ってきているのは何故か? 遷移点付近の様子が違ってきている。 消費電流も増加している。 |
このモデルの場合は、前回の測定結果をほとんど同じと言えそうであるが、牽引特性のパターンが違ってきているは何故だろう?
■ C57-195号機の測定
今回も、もう一台測定した。 この車両は、KATO製の「C57 4次形」で、品番が2023のモデルである。 2014年の新製品で新品購入したものである。 ここに示す従来の測定データは、「KATO製 C57 4次形 C57-195号機の動力特性」(2018/6/8)に示すデータを取り上げている。
今回の測定実施: 2020/10/16 重り車両: 153.7(1.1) グラム ()内は走行抵抗です。
測定は上記の状態で測定する。 速度特性測定時はビームカッター車のみを連結する。 また、事前のメンテナンスは実施せず暖機運転のみ実施する。 測定結果を下に示す。
新しい測定方法での測定 | 以前の測定方法 | ||
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速度特性 | 測定結果は全く同じと判断する。
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消費電流が1.5〜2倍近くも大きくなっている。 原因は、前照灯の有無の違いか? |
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牽引力特性 | 特性のバラツキはほとんど無いが、パターンが少し異なってきているのは何故か? |
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パターンの様子が違ってきているのは何故か? 遷移点付近の様子が違ってきている。 消費電流も増加している。 |
このモデルの場合は、前回の測定結果をほとんど同じと言えそうであるが、牽引特性のパターンが違ってきているは何故だろう?
■ 前照灯の特性を調べる
今回の測定において、動力車には一切手を加えず、そのままの状態で測定している。 これは、モータの端子電圧やモータ回転数の測定を実施しないので、そのための細工は一切不要であったからである。 この時、前照灯もそのまま装着されている状態で測定しているので、以前のデータとはこの点が異なってきているのだ。
以前の測定データの中から該当するデータを拾い出してみた。 「KATO製 C57 1次形 C57-33号機の動力特性」(2018/6/2)より、ライトユニットの電気特性の調査結果を転載する。 下左と中央のグラフと写真。
このライトユニットは、品番が2016と記されていたので、2012年の発売されたD51型モデルに使用されたものと推定する。 品名も「D51 北海道形ライトユニット」となっており、この種のSLに共通使用されている標準部品となっているようである。 ライトは側面発光のチップLEDを使用し、抵抗を直列に配置し、コンデンサも並列に挿入されている。 2.5 volt 辺りか発光を始めて、後は直線的に電流が増加している。 これは560 Ωの抵抗による特性である。
Assy表で確認すると、C57-195号機もこのC57-33号機と同様の 2016-3G となっており、同じ部品が使用されている。 このため、 10volt では 12mA の電流がこのライトユニットに消費されているので、電流差の問題は解決される。
さらに、2014/7/3 に実施した「C57 195」(2014/7/10)の測定データでは、ライトユニットを装着したままの状態で測定していた。 その時のデータを上右のグラフに示す。 今回の測定結果とピタリと一致するので、電流値の違いはこれで説明できると言うことにしよう。
■ まとめ
先回の報告では装置の改善結果を評価するどころか、逆に疑問だらけとなってしまった。 少し頭を冷やして、特性が安定いているしていたコアレスモータ搭載車について、N 増し測定を実施した結果、思惑どうりのデータを得ることが出来た。 そして、結論として、
ということにして、N増し実験は完了とする。
2020/10/17 作成