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モータの測定データ KATO製電気機関車 第4期 新サスペンション型のモデルのモータ

 

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■ 測定方法

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 ● 測定対象シリーズ
KATO製の電気機関車について第4期のモデルは、EF70 が登場してからおよそ40年後に、フライホイール型から新サスペンション型に進化した。 このモデルでは、【特許番号】 特許第4357272号の特許に込められた思想を反映したものであるが、さらに、モータの小型化や動力台車の構造の変更なども実施されている。 このモデルで使用されているモータ特性を測定した。
 第3期のモータと第4期のモータを比較した写真を右に示すが、サイズ的にかなり小型化されているが、その他には強力な磁石の使用やスキューの設定などで、トルクの確保と電流の低減を実施している様子である。 「KATO EF65の新旧比較」参照。
 
 ● 測定装置
モータ特性を測定しよう その7  出来た」で報告した装置を使用する。
 ● 測定方法
右上の写真に示すように、モータはモータホルダに収めた状態のまま、ホルダの上下をベニヤ板を使って測定台に固定した。 モータの一方のフライホイールには糸をかけてモータトルクを測定し、他方のフライホイールには白のマーキングを付けて回転数を計測する。

 下記にそれぞれのモデルの測定結果を記載する。 順番は、品番や発売時期から推定した年代を想定し、なるべく古いものからリストアップしている。

 モータの写真は製造時にモータ外套やマグネット部分に付与されたマーキングを記録するため上下の面を撮影し、さらにモータホルダーに装着した状態で撮影しているが、ホルダからモータを外して再組み付けする時、その組み付け方向を間違えないように注意する必要があった。 このため、白色のペイントで印をつけた例もある。

 

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■ EF65-1103 号機

モデルの品番 3061-1
モデルの品名 EF65 1000 後期形
発売時期 2011年 5月
入手時期 2011年 7月 新品購入
分解調査等 マイコレクション EF65 1103 1000 後期形
動力車の調査 未調査

 モータのマーキングは片側の赤色のみ。

 

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■ EF15-79 号機

モデルの品番 3062-1
モデルの品名 EF15 標準形
発売時期 2010年1月
入手時期 2010年2月 新品購入
分解調査等 マイコレクション EF15 79
動力車の調査 未調査

 モータのマーキングは片側の赤色のみ。

 

 

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■ EF510-510 号機

モデルの品番 3065-2
モデルの品名 EF510 500 カシオペア色
発売時期 2010年12月
入手時期 2011年3月 新品購入
分解調査等 マイコレクション EF510 500番台
動力車の調査 未調査

 モータのマーキングは両側に赤色。

 

 高速回転時に音が大きく、ビビるような音がする。 特に5ボルトを過ぎると心配になるが、実際の車両ではどうだったか確認する必要がある。 電流値のデータにも少し乱れがあるので、共振点の関係かも。 2015年3月に実施した無負荷走行時の電流・電圧特性とパターンが似ている点に注目する。

 

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■ EF57-8 号機

モデルの品番 3069
モデルの品名 EF57
発売時期 2012年
入手時期 2012年8月 新品購入
分解調査等 マイコレクション EF57 8
動力車の調査 未調査

 モータのマーキングは片側の赤色のみ。

 

 運転中はガラガラという音を発し、取り付け状態にガタが無いか確認するも、取り付けには異状が無かった。 そしてこの音は、うるさかったり静かになったりと変化がある上に、6ボルト近辺では逆に静かになる場合がある。 モータを手にもって回転させると手にビリビリ来るので、原因は軸のアンバランスではないか推定する。 磁石が強力になり、スキューもあるので吸引力のアンバランスや軸の動釣り合い不良ではないだろうか。 上記のEF510-510 号機のモータと6ボルト近辺での電流値の乱れは同じ傾向である。 車両として走行中の音がどうだったのか、確認する必要がある。

 

■ まとめ

 このKATO製電気機関車 第4期 新サスペンション型モデルのモータについて、仕様が大幅に変更されている。 小型化と共に、消費電流の低減が図られている上に、電圧に対する回転数の値が、従来のモデルよりも半減しているものの、電流値に対する発生するトルクの値がおよそ2倍になっている。 これらは減速機構の仕様変更に合わせて決定されたものと思われるが、小型強力モータへと変身しているのである。 また、特性はより安定化しており、KATOの技術レベルの進化と推察する。