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鉄道模型工作室  155系東海道線快速の前照灯と尾灯の工作

 先回報告した湘南色電車の整備作業を始めました。 第2弾として、グリーンマックス製のエコノミーキットシリーズの工作品である国鉄155系電車の前照灯と尾灯の工作を実施しました。

 

■ 以前の工作の痕跡

 今回の工作に当たって車両を調べてみると、前照灯の部分に大きな穴が開いていました。 アレー?と思って調べてみたところ、最初に室内灯を工作した時に、前照灯も工作していたのです。 「国電155系への室内灯工事」(2011/5/5)。 しかし、その後の「東海道を走っていた湘南色電車の整備」(2020/6/29)にて、台車の集電方式の改良と、とチラツキ防止型テープLEDによる室内灯は工作されたものの、この前照灯は取り外されたままとなっていました。 工作が面倒なので先送りされたのです。 そこで、 今回はこの工作に挑戦しました。 なお、工作は、まず7号車を先行して実施し、その後、改善を含めて1号車を工作しましたが、ここでの報告は内容毎に報告することにします。

 

■ 前面の追加加工

 最初に、先頭車両の前面について追加の加工を実施しました。 大きな目玉が特徴の前照灯はすでに開いていましたが、尾灯は新しくΦ0.8mm で開けました。 Φ0.75の光ファイバーを使用するためです。 さらに、上側の前面方向幕部分についても明るくするように工夫することにしました。 このため、およそ 1×4mm の長孔を開けました。

 この前面方向幕部分は、厚さ 1mm のアクリル板を 4×14mm の長方形に切出して差し込み、室内灯の灯を導くだけのものです。 ほんのりと明るくなっていれば良しとするものです。 写真で拡大すると工作のアラが丸見えですが、ショボショボしている老眼の自分には見えないのですので・・・・・・・・・・・・OKですかね。

 

■ 前照灯と尾灯のユニットの工作

 今回のメイン工作であるユニットを作りました。

● 前照灯ユニット

 前照灯のユニットは、「名古屋鉄道 5500系電車の電飾工作 その2」(2022/5/26)や「キハ24系車両の電飾再工作」(2022/7/17)と同様な方式で実施しました。

 下左の写真に示すように、片面銅張積層板を 5×17mm の大きさに切出し、表面の銅を削って回路を作りました。 7号車の場合は、何を考えていたのかローパスフィルタの回路を構成するように作ってしまいました。 先頭車両は動力車でないので、必要無い回路であることに気づき、後から工作した1号車では抵抗を入れるだけの回路に変更しています。 小型の電車の場合と勘違いしていたようです。 「逆向き点灯の防止 CRローパスフィルタの特性実験」(2022/4/20)など一連の報告を参照下さい。

 7号車の場合は回路の傷をつけたり、コンデンサを余分に組み込んだりの失敗作でしたが、なんとか誤魔化しました。 1号車の場合は上手くいきましたが、それでもチップLEDを逆さまの取付けて半田付けする方法は四苦八苦です。 チップ部品を基盤に半田付けする場合は表向きに取付けること、当然ですね

 使用した部品は、表面実装ウォームホワイト色LED OSM50805C1C 2.0x1.25x1.0mm SMD です。 抵抗は680Ωを使いました。

● 尾灯ユニット

 尾灯ユニットは、装着スペースの関係上、細い光ファイバΦ0.75mm を使って一か所に集め、ひとつのLEDの光りを分配する構成としました。 このため、赤色チップLEDは、秋月から入手したチップLED変換パット AE-LED を使用しました。 LEDは表面実装赤色LED OSR50805C1C です。 抵抗は 1KΩを使いました。

 上右の写真には黒い不思議な部品が写っていますが、これが光を分配する部品です。 詳細な写真を撮影するのを忘れていましたが、厚さ3mmの黒いプラ板を切出し、中央部に、Φ2.0mmの穴を開けました。 そして、前方となる側面からこの穴に向かって、光ファイバを差し込む穴を2ヶ所開けました。 一か所は少し斜めの部分です。 また、後方となる側面には、Φ2mm の穴をあけています。 こうして中央の穴は、前後の3ヶ所と連通する状態にして、透明な丸いプラ棒をはめ込んで、上下をカットしました。 これは、光ファイバのストッパの役割と、光りの均一な配光を狙ったものです。 そして、後ろの穴にLEDを取付、パテで回りを埋めて固定と遮光を実施しました。

● 点灯チェック

 作業の区切り毎にLEDチェッカーやパワーユニットを使って点灯具合を確認しながら、作業を進めました。 当然ですな。 下の写真はその様子を示します。

● 装着状態

 前照灯ユニットの前面に、Φ1.0mm の短い光ファイバを差し込んで位置決め用としました。 そして、ショート防止のためMTテープを巻きました。写真がありません。 そして、車体裏側にセットし、遮光も兼ねて銀紙を巻いて固定しました。 前照灯の大きな穴はレンズを使って埋めておきたいのですが、レンズの代わりとしてΦ2.0mmの透明なプラ棒を薄く切ってはめ込んでします。 乾くと透明になるホビー用セメダインで固定しました。

 その後方に尾灯ユニットを収めました。 光ファイバは少し強引に曲げ癖をつけて取り付けています。 配線は、前照灯ユニットからの配線と、電源側への配線をまとめて尾灯ユニット背面のランドを使って実施しました。 これらをまとめて白いMTテープで固定しました。 各ユニットの固定は、パテや接着剤を使用していないので、容易に分解できますので、安心してメンテが可能です。

 

■ 全体の組立

 まず、先行した7号車の状態です。 室内灯の工作に合わせて集電配線を実施済みですが、尾灯ユニットのはみ出しのために、集電部分を後方にずらしました。

 また、前方の天井に設置されていた室内灯ユニットは邪魔になったので後方の座席シート部に移動しました。

 あちこちに、MTテープがペタペタと貼ってあり、見苦しいですが、中身は見えないので良してしています。 ただ、経年変化でベタベタしてくるのでは無いかと心配しています。 全部のセットが完了した状態です。

 次に、1号車の状態ですが、室内灯ユニットの設置場所を天井裏に変更しました。

 

■ レイアウトでの確認

 完成した車両をヤードに入線させて点灯試験を実施しました。 ユニットのプラス・マイナスの極性を間違えずに配線されているか、点灯具合はどうかをチェックしました。

 大目玉の前照灯が綺麗に光っています、 また、尾灯も良好ですね。 前面方向幕の部分も、ほんのりと明るくなっているので成功です。 シールは?

 向かって左側が7号車ですが、前照灯ユニットの遮光が不十分なので、運転席部分が輝き過ぎます。 右側の1号車なら合格ですが・・・・・・。

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 第2弾の工作もうまく行きました。 最後は、問題のレジェント車両を手掛ける事にしましょう。

 

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 2022/8/13 作成